変わった漫画と本を読む方向
「あ、この漫画の続き取ってくれる?」
「仕方ないのう……ほれっ」
ある日の夕方、2人は漫画を読みたくなったので、大規模な漫画コーナーのある銭湯へとやってきていた。
そこで本を物色していると気になる漫画があって手に取ってみた。
その漫画は通常の右にめくっていくタイプではなく、左にめくっていく不思議な形をしていた。
その為に読むのに慣れるのが必要であったのだが、慣れてくる頃には内容を理解し始める。
そして、その内容というのがとても面白いと思えるものであった。
「夢中になって読んでおるが、そんなに面白いのか?」
「割と王道な展開で面白いよ。
むかーしの漫画って感じの絵だけど、キャラクターも格好いいしね。
でも、何でこんな変な作りなんだろうね」
「ふむふむ……少し調べてみたのじゃが、どうやらその漫画は元々はゲーム雑誌の中に連載されておったようじゃな。
その為に漫画もその形になっておるようじゃな」
「そう言えば雑誌って右から左に読んでいくものが殆どだもんね。
週刊誌とかは漫画と同じ方向だけど」
「言われてみればそうじゃのう。
あまり深く意識して読んでおらんかったのじゃが、意識してみると中々面白い話じゃな」
2人は自分が読んでいた雑誌や漫画を思い浮かべてみる。
こうして思い返してみると確かに雑誌によって読む方向というものが違うということに気付く。
「あ、これ4巻で終わりなんだ。
話的にはまだまだ続きそうなんだけど」
「どうやらその話が第一章でそこから様々な派生があるようじゃな。
当初は8つの本編と100の短編で物語を構成するつもりじゃったらしいぞ」
「過去形って事は失敗したのかぁ……まぁ、聞いてるだけで無理そうな予定だもんね」
「その後は赤と書かれた本を読むのが良さげじゃな。
ここと弍までは良いらしいのじゃが、赤と対をなす青辺りから話がややこしくなってきておるようじゃよ。
後はゲーム雑誌に載っていた事から察する通りに、元々ゲームとして出すことを前提として漫画が描かれていたようじゃな」
「という事はゲームあるんだ。
ちょっと探してみようかな」
「社長なら持ってそうじゃがな。
聞いてみたら良いのではないか?」
「そうする。
連絡ついでに本取ってくるね」
「気をつけてのう」
こうして赤を確保する間に里中に連絡したユウは、彼の持っていスーパーなゲーム機の方を借りることにした。
そしてちゃっかりと数日後の配信予定日に、そのゲームの実況配信を入れて告知したのだった。
ヒントは散りばめたので、今回何の漫画の話をしていたのか?
分かる人には簡単だと思います。




