くじよじ大音楽祭 1
予約投稿ミスで遅れました。
申し訳ありません。
ライブ当日、リハーサルも終えたユウ達の気合いは最高潮にまで達していた。
昨夜に話していた楽しんでもらえるかという不安は一切ない。
リハーサルを完璧に終えた彼女達は楽しんでもらう……ではなく、絶対に楽しませるという心持ちに変わっていった。
・ドキドキ
・はああああ、楽しみだ
・今日が人生で一番ハッピーな日になる
待機組は各々がモニターの前で戦闘態勢でライブの始まりを今か今かと待ち続ける。
自分たちの推しがアイドルとして開花する……普段とは絶対に違う姿を見られる最高のショーの開幕を待ちわびていた。
待機画面、ユウとマオを中心とした女性Vのイラストと共に[くじよじ大音楽祭]と銘打たれたイベントは、この画面が切り替わった事によって始まる。
電脳空間のような場所にある、丸いステージに円になって立つくじよじメンバー。
彼女達を紹介するようにカメラが外周を一周し、最後にユウとマオの姿を映し出したところで音楽がかかる。
一曲目に流れるのは全員が歌うくじよじのメインテーマとも言われる「Show Up」
Aメロでは配信が始まる準備や、配信ボタンを押すまでのドキドキを可愛らしく表現されている。
それらをパート分けして交代で歌っていき、配信ボタンを押す仕草から、配信中の盛り上がりを表現したサビへと切り替わる。
ステージ全員の前に配信ボタンが現れてサビに入る前に一斉にそのボタンを押す。
すると、今までは電脳空間で何も表示されていなかった場所にモニターが無数に浮かび上がり、出演者の配信画面が表示されていく。
配信の盛り上がりを表したサビを全員が声を合わせて歌い上げつつ、周囲には実際に大盛り上がりしているライブ映像が流れるという演出に、コメント欄も大盛り上がりである。
こうして最高の掴みで一曲目を終えた彼女達。
曲が終わるとユウとマオ以外のメンバーの姿がシャットダウンするように消えていき、ステージの上には2人だけが残された。
「みんな〜お待たせ!
くじよじ音楽祭、ついに始まっちゃったね」
「決まった時はまだまだ先だと思っておったのじゃが、あっという間に気付けば開催してしまったのう」
「さて、みんな知っているとは思うけど改めて自己紹介しておこうか。
今回の出演者兼MCの田中ユウだよ」
「同じく出演者兼MCの田中マオじゃ。
うむ……では、早速例の仕掛けを」
マオがそう言うと彼女の前に紐が垂れてくる。
その紐を引いた瞬間に彼女達の前にはデカデカと書かれた視聴者のコメントが流れてきた。
・うおおおおお!
・一曲目から最高だった!!
・もう涙が……
そのようなコメントがどんどんと流れていく。
「やっぱり配信と言ったらコメントが無いとね。
僕たちがMCしてる時にはこうやってみんなのコメントを読んでいこうと思うから、じゃんじゃん書き込んでいってね」




