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ライブ前日の夜

2022/05/04 誤字報告受け付けました。

いつもありがとうございます。

「あれ?まだ起きてたんだ?」


ライブ前日、ユウもマオも配信は次の日のライブの告知を中心にして軽めに終わらせていた。


そうして明日の準備をしつつリビングに向かうと、マオも同じようにやってきたのだった。


「ユウこそ起きておるではないか」


「うーん、準備とか見直ししてたら結構時間使っちゃって……ひょっとしてマオも?」


「どうやら考える事は同じらしいのう」


話しながら2人はテーブルの椅子に座る。


それと同時にユウは作っていたホットミルクをマオに手渡した。


「はい、どうぞ。

……こっちに来てから初めての大きなイベントだからね」


「ありがとうなのじゃ。

ユウはひょっとして緊張しておるのか?」


「いーや、全然。

勇者やってた頃に比べたら全然だから気楽なもんだよ。

マオもそうでしょ?」


「うむ……魔王をやっていた時に散々人前に出る事はしてきたからのう。

じゃが……」


そう言ってホットミルクを一口、口に含む。


「みんなが喜んでくれるか気になる?」


「やはり考えることはつくづく同じじゃのう。

ここまで積み重ねてきたものを、本当に喜んでもらえるのか考えてしまうのじゃ」


「僕も自分1人だけの問題じゃないから心配だけど……実際にやってみないと分からないからね。

ダメならダメで今度は個人で挑戦してみたらいいんじゃないかな?」


「それにあの社長なら失敗したら、それを活かして次に繋げてくれそうじゃしな。

つくづく良い会社と社長に恵まれたと思うのじゃ」


「それは本当にそう思うよ」


マオの言葉にユウもホットミルクを一口飲んでから頷く。


彼女達の中でこの世界に来てから今までの長い活動の歴史が思い浮かんでくる。


それに合わせて思い出を語っていると、あっという間に時間が過ぎ去っていた。


「……と、いい加減に寝ないと不味いかな?

体力的に響くって事は無いけど、普通の人間らしい生活をするってのはここに来てからのルールだもんね」


「そうじゃな。

あまりに逸脱した生活をしてしまってはズレが生じてしまいそうじゃからのう」


「あ……でも、久しぶりだし一緒に寝る?

こっちに来た時はいつも一緒に寝てたしね」


「あの頃は共依存状態じゃったから仕方ないのう。

こちらの世界に来て先輩、後輩にリスナーと多数の繋がりが出来たおかげで解消されたがのう」


「仲が悪くなったわけじゃないんだけどね。

お互いに大事なものが増えたってだけで」


「うむ、一番は変わらんからのう。

そしてこれからも変わる予定はないのう」


「それは僕も同じだよ。

というわけで一緒に寝ようか」


そうして差し出されたユウの手をマオは強く握って席を立つ。


「今日はおとなしく抱き枕になってやるとするかのう」


「それならぐっすりと眠れそうだね」


こうして2人はライブ本番に備えて寝所へと向かったのだった。


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