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長耳属の飲み薬

「そんな理由でどうしたら良いか分からなくて

ここに来ちゃったんだ」


そう語るカザの話を黙って聞いていたユウは深いため息をつく。


「はぁ〜どんな話かと思えばそんな事だったの」


「そんな事って……ハナは未だに目を覚ましてないんだよ」


「しかし、教会に運び込まれて処置を施されたのなら問題ないじゃろう?

命が助かったのじゃから良かったではないか」


「そうそう……お互いに死んじゃってないならそれで十分でしょ。

謝りたいならハナが起きてから好きなだけ謝れば良いさ」


そう言って語る2人の姿はカザに気を遣っているわけではなく、本心からそう言っているのだと感じた。


そして、軽い言葉とは裏腹に有無を言わさない重さもあるように感じた。


(何で2人の言葉はこんなに……あっ、そうか。

ユウ先輩もマオ先輩も異世界で身近に死があったから)


2人は元の世界で数多くの理不尽な死を目撃してきた。


だからこそ心から言えるのだ……生きているだけ良かったじゃないかと。


「ま、とりあえずカザの居るべき場所はここじゃないでしょ。

ハナが起きた時に一番見たい顔は頑張って助けた仲間の顔だと思うよ」


「そうじゃな。

帰りづらいなら妾達から見舞いの品を持たせる故にそれを持って帰ってきたと言い訳するんじゃな」


「先輩達の言う通りだ。

ここは今の僕が居る場所ではなかったみたい」


そう言って立ち上がったカザにビニールの袋が投げ渡された。


「これ、見舞いの品。

向こうで皆と分けて」


そう言って投げ渡されたビニール袋を手にカザは深々と頭を下げた


「先輩達、今日は本当にありがとうございました」


そう言いながらカザは全速力で2人の家から飛び出していった。


「やれやれ、慌ただしい事じゃな。

所で見舞品の中にはアレを入れんたんじゃろ?」


「勿論!

こう言う時に使わないとね」


アレとは袋整理した時に出てきた、耳長属の飲み薬である。


失われた魔力を回復する飲み薬ならば霊力も回復できるかもしれない。


そう思って2人は残り数が少ない飲み薬ををチョイスしたのであった。


「これで元気になってくれたら良いんだけどね」


「どうじゃろうな?

今度は2人でお見舞いに行ってみるかの?」


「それ良いかもしれないね。

それじゃ、今度は元気に仲直りした2人を揶揄いに行こう」


こうして急な来訪者の接待を終えた2人であったが、この直ぐ後にハナが目を覚ました事と2人が渡してくれたアイテムのおかげだと伝えてくるのであった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] さすがに、何かわからない飲み物とかが入ってても使わないというか、調べてはっきりさせないと使えないんではないかと。 でも、さすがに使われてる以上は、メモか何かで名称や効果を書いて、入れ…
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