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#ホラー系TRPG ドラマパート エピローグ

オカルト学を嗜む者として今回の事件を忘れない為にも書き残しておく必要があると思い筆をとる事にした。


今回の事件……始まりは岡崎教授の元を訪ねたオリーの父親、ケリーさんであった。


オリーの話では彼は米国の軍に所属している人物だと言う話であった。


その事は事実だったのだが、正確には米軍のオカルト事件を担当する部署にいた。


そこでは非日常的な怪奇事件を解決し、人の身に余る道具を回収することが目的とされていた。


岡崎教授の周りから行方不明者が出ていたり、彼から用途不明の高額な支払いが確認できた為に調査することになる。


その調査に選ばれたのがケリーさんであった。


彼は僕らと同じように本物の魔術道具を用意して岡崎に接近したのだが、その正体はバレていたらしく寝込みを化け物に襲われて捕まり悍ましい人体実験の餌食となってしまった。


その後に僕たちが屋敷を訪ねてからの救出劇へと繋がった訳だ。


事件後、逮捕された岡崎教授だが精神に異常をきたしていた。


まともに話すことも出来ずにいる彼の末路が本物のオカルトの狂気を僕に教えてくれた気がした。


あの事件から僕はオカルトに関係する一切のことから手を引くことにした。


自分だけならばいざ知らず、姉を巻き込む事が怖かったからだ。


精神的な脆さも知ってしまったことから、次に事件に巻き込まれれば姉さんは精神を壊してしまうかもしれない。


実際に僕の前では平気な顔をしているが、あの事件がトラウマになっているらしく時折落ち着かない様子で辺りを見回すことがある。


だが、その弱さをそのままにしておかないのが姉さんの凄いところだ。


現在の姉さんは、そんな己の心の弱さを克服すると言って武道の師匠の元で精神鍛錬に励んでいるらしい。


オリーは事件が解決した事でケリーさんがアメリカに呼び戻されて一緒に帰ることが予想されていた。


しかし、人体実験から狼になり、その後に人間に戻ったケリーさんは要観察の身となったらしい。


とは言え、それは建前で今回の心労を慰る為の長期休暇という意味合いの方が強いらしいけど。


そこにオリーが日本に残りたいと希望したらしく、彼女は今も僕たちと一緒に登校している。


オリーと言えば最近困った事が一つある。


アメリカ人特有の感覚なのか分からないが非常に距離感が近いのだ。


毎朝会えばハグから始まり、ピタリとくっつくように僕の近くにいる。


先日、困って姉さんに助けを求めたら、贅沢言うな、幸せ者と返されてしまった。


確かにこんな美人でスタイルの良い女性に毎日ハグされているのは幸せ者なのかもしれないが、父親のケリーさんも見ているのだから勘弁してほしい。


罪悪感に耐えられずに一度謝罪したのだが、とてつもなく良い笑顔でサムズアップされてしまったのはどういう意味だったのだろうか?


今回の事件で変わることもあれば変わらなかったこともある。


そして学んだのは安易に非日常に興味を示してはいけないということだ。


それは妄想やファンタジーなどではなく、しっかりと存在して僕達を呑み込もうと隙を伺っている。


折角の命を無駄にしない為にも、今後の教訓としてこれからも生きていこうと思う。


深淵を覗く時、また深淵もこちらを覗いている。


この言葉の意味を実体験として味わったのだから。



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