#ホラー系TRPG回 プレイパート 14
「それでは3ターン目を開始します」
「早速銀の弾丸をリロードネ!」
「そういえば持っておったのう……うん?
本来はこういう使い方なのか?」
「これはルートが確定しているのでぶっちゃけますが、実験で失敗した不完全な人狼と戦うルートも用意していました。
その時にはこの弾丸が必要になりますし、専用の銃を用意はしておいたのですよ。
銃はイベントですが、地下を調べれば色んな場所で発見出来るようになっていました」
「みんなが同じルートに入る訳ではないのがTRPGの面白さだからね。
それで折角なら銃でバリア壊した方が格好良いし、ここで拾った弾丸使えば、折角意味ありげな感じで登場したアイテムを活躍させられて良いかなって」
「確かにそれはありかもしれぬのう。
それで岡崎は未だに動かぬつもりか?」
「いえ、流石に逃げ出そうとしていますね。
彼のターンが来たら逃げてこの場からいなくなります。
その場合はムーンビーストを倒さなければ追いかけられませんし、追いかけても素早さ対抗のダイス勝負です」
「そうなると面倒だからここで仕留めたいね……というか、ムーンビーストはこのターンで終わりそうじゃない?」
「うむ、変なダイスを出さない限りのう。
では蹴ってみるとするかのう……武道、蹴り共に成功じゃ。
ダメージは……これはこれは」
「ああ、そのダメージなら余裕で死にますね。
このダメージだと蹴られた瞬間に弾け飛ぶんじゃないですか?」
「それはグロいので蹴りで吹き飛ばした感じの表現にしてくれぬかのう?」
「ええ、問題ありませんよ。
さて、次はリロードが終わったオリーのターンですね」
「あれ?岡崎って足遅い?」
「そりゃ、研究肌の引きこもり教授ですから。
身体能力は低いです」
「これは逃げられても余裕で追いつけそうじゃのう」
「バット、それではカッコ悪いね。
この一撃で決めさせてもらうヨ。
……成功ネ!!」
「では、銀の弾丸がバリアに当たると粉々に砕けます。
それと同時に岡崎はその場でパタリと倒れますね」
「魔力切れによる昏倒じゃな」
「それと同時に拍手をしながらこの場に現れたのは月穂でした。
彼女は自分を楽しませてくれたご褒美にお願いを聞いても良いと言っていますよ」
「これ、罠かな?」
「いや、普通に楽しんでおるだけじゃろ。
言うだけただじゃしオリーの父親を元に戻せないか頼んでみてはどうじゃ?」
「ナイスアイデアね!」
「その願いを叶えるには少し足りないと言っていますね。
もう少し楽しませることが出来れば良かったのかもしれません」
「さっき言っておった人狼討伐ルートなら叶えてもらえたかもしれぬという事かのう」
「うーん……あ、そうだ!
それじゃ、この水晶玉を渡すからとお願いしてみるよ。
岡崎教授を倒すのに役立ったとは言え、僕たちのお助けアイテムの筈が終始敵に利用されてたんだから、この位のサービスは良いんじゃないの?」
「う、痛いところを突きますね。
……いいでしょう。
では、狼をオリーの父親に戻した上で帰りの車まで手配してくれた月穂は何処かへと去って行きました。
車はオリーの父親が運転してくれるようですね。
というわけで皆さんは無事に今回の事件を解決出来ました。
犠牲者もなく、父親も救ったのでハッピーエンドです」
「これ、元に戻せないで帰ってたらどうなってたの?」
「その場合、徐々に人間らしさを失って最後は完全な狼になってしまいます。
完全な狼になると家を出て行き行方不明になるエンディングです」
「それは悲しいので救えて良かったデース!」
「では、この後は感想回を行なって今日のゲームは終了と致しましょう」




