ユウとマオの初詣
「マオ〜御神籤どうだった?」
「今年は吉じゃったよ。
良くもあり、かと言ってここが限界というわけでもない……とても良い年になりそうじゃな」
雑談配信をしていた頃より遡って数日前。
2人は浅草、浅草寺に初詣にやってきていた。
「僕は大吉狙うよ!
それっ……って、凶!?」
ユウが引いたおみくじには上に凶と書いてあり、昔の言葉で難解な言葉が綴られていた。
何を書いてあるか良く分からないが意味合い的にはどれも悪いことが起こるぞ!
と、書いてあることは理解できる。
更に外国人向けに英文での解説も書いてあるのだが、その英文の最初の文字がBAD LUCKと綴られているのも余計に不安を煽っていた。
「まぁまぁ、当たるも八卦。当たらぬも八卦じゃろうて。
それに悪いおみくじは結んで置いていくことで回避することが出来るとも言われておるのじゃから悪い事でも無かろうて」
「それもそっか。
それにここって凶が割合多いって言うしね」
後は厄除けの御守りも買っていこうかな」
「その前に去年の御守りを返納しておかねばな」
2人が返納場所にまで行くと担当していた巫女さんが丁寧に受け取り礼をした。
釣られて礼をしながらも頭の中では2人の良く知る巫女さんの像が浮かんでくる。
「多分同じこと考えてると思うけど、これが正しい姿なんだよね」
「あの人は異端じゃからな。
まぁ、そこも魅力じゃと思うぞ」
「そうだね。
さて、御守りはっと……相変わらずいっぱいあるね」
「目的別から全て含んだものまで色々じゃな。
値段も違うので良く選んでから買うと良いぞ」
「うーん……なんて言うかゲーム脳になっちゃってるせいかさぁ」
そう言いながらユウは厄除け1000円と書かれた御守りと厄除けに加えて家内安全や健康祈願などが追加された同じく1000円の御守りを指差した」
「こっちの単体効果の御守りは特化してるからその耐性大って気がするよね。
それで色々入ってる方は耐性小が付く気がする」
「それで言うのであればこの小さな500円の御守りは一度その効果から身を守ったら砕けて無くなるアイテムかのう」
「ありそう!
それで結局はこの一万円する全部の効果載ってる御守りが最終装備の候補になるんだろうね」
「こうしてゲームフィルターをかけてみると御守りを見るのも楽しいものじゃな」
結局ユウは厄除けの御守りを、マオは商売繁盛の御守りを授かる事にする。
その後、悪いところは特にないので煙はスルーして階段を登り、お賽銭を入れてから今年の願いをお祈りしたのであった。
今年も浅草寺に初詣に行ったのですが、昨年、昨昨年と合わせて三年連続で凶を引かせて頂いております。




