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初詣の裏の激闘 1

年始に初詣に行く人々……誰も彼もが運試しとばかりにおみくじを引き、神に祈りと願い事を捧げる。


日本ではよく見る光景で何ということもない……筈の行為だが彼女達には違ったようだ。


「ああ〜もう、後から後からうじゃうじゃと!!」


ハナは手に持っていた聖水を浮遊霊にかける。


霊達はそのまま成仏……されるわけではなく、ピクピクと痙攣して動かなくなった。


「あの世のお迎え課はまだ来ないの!?」


カザは愛用のバットで浮遊霊を一体ずつぶん殴って沈静化させながら叫んだ。


「ふむ……連絡はしているのですが全国各地で同じような事が起こっていて手一杯だそうですぞ。

暫くはこのまま防戦するしかありませんな」


バドは腕につけた小型PCを操作して何処かに連絡をつけているが状況は変わりそうに無い。


「残弾は余裕あるけど……それでもこの数は嫌だ」


自分たちを囲う霊を手に持ったエアガンで撃って動きを止めているルナが心底嫌そうに呟いた。


彼女達はとある有名な神社の裏側にある森の中にいた。


そこには無数の浮遊霊が集まり現世へと干渉しようとしていたのだ。


何故このような事になっているのか?


全ては初詣というイベントのせいである。


現世(うつしよ)の者が数多集って常世の世界に祈りを捧げる。


この事で現世と常世の境が曖昧になっており、その隙を狙って成仏していない浮遊霊が挙って無念を晴らそうと集まってきているのだ。


この浮遊霊……元々は唯の人間が死んで幽霊になっただけなので、普段から妖怪などの異界の者と戦っている4人からすれば雑魚も同然であった。


だが……一つの制約が彼女達の行動を大きく阻害していた。


それはトドメを刺すことの禁止である。


この幽霊は人間の魂であり、あの世で閻魔大王を筆頭とした十王の裁きを待つ者達なのだ。


その裁きの末に転生という結末が待っているのだが、ここで彼女達が自身の霊力に任せて消しとばしてしまうと魂は完全に消滅してしまう。


そのために彼女達は霊達の動きを封じるのみに留まっているのだ。


このような不利な状況で彼女達が待つ者とは一体何者なのか?


それは4人が1時間近く防衛戦を繰り広げていた所に突如して現れた。


「お待たせして申し訳ありません」


「ご協力大変に感謝しております」


「後のことは我々にお任せください」


お揃いの眼鏡とお揃いの七三に分けた髪。


全く同じスーツを着た見分けのつかない3人組の男。


彼らこそ彼女達が待っていた人物であった。

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