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樹木の山と妖怪の里 9

UMA=他国の妖怪という認識です。

「違うよ〜僕たちはただお願いされてここに調査に来ただけなんだよ。

だから普通に尋ねようと思ってたのに皆が話も聞かないんで襲いかかってくるんだから」


バットを持った女性は両手を上げてやれやれと言ったポーズを取る。


「ふむ……」


偶然ではあったがユウの一言に対する返答によってマオは相手の素性と性格を把握する。 


「じゃあ、僕たちとは普通にお話ししてくれるってこと?」


「そうしたいところですが貴女方はここの住人ではありませんよね?

何となく正体は掴めていますが……先程の戦いもあります。

改めて決着をつけてみるというのも一興だと思いますが」


「お、いい提案するじゃん。

僕はそこのお姉さんともう一度戦ってみたいと思ってたんだよね」


シスターの言葉にバットを持った女性は嬉しそうな声で答える。


「僕も実は気になってたんだよねぇ。

お互いに何となく正体分かってるなら全員で戦うこともないでしょ。

僕とそこのバットの君と2人でさっきの決着付けとかない?」


「ははは、やっぱりお姉さん最高だね!

僕の名前は風と書いてカザ。

お姉さんの名前を聞いていい?」


「僕の名前はユウ。

その答えは了承してもらったという事でいいかな?」


ユウが他の3人の女性を見ると全員が頷いた。


「マオもそれでいい?」


「構わんよ。

その間に妾は彼女らと情報のすり合わせをしておこう。

そこのシスターよ、それで構わぬな?」


「ええ……勿論です。

ですが、私のこともハナとお呼びください」


「……ルナ」


「小生はバドでござるよ。

元魔王の田中マオ殿」


シスターに続いてエアガンを持った女性と白衣を持った女性が自己紹介をする。


特に白衣の女性の自己紹介にはマオも反応せざるを得ぬものがあった。


「どうやらお主がこのPTの頭脳担当らしいのう。

妾には今回の騒動の一連の流れが見えてきたのじゃが、折角じゃから其方の意見も聞きたい。

共に情報を交換し会おうではないか」


「おお〜推しに誘われて頼られるとは光栄の極み!

是非とも意見を酌み交わしましょうぞ!!」


マオの誘いに白衣の女性……バドはテンションが振り切れんほどに早口で答える。


どうやら彼女はマオの配信のリスナー……いわゆる『魔王の部下』の一員だったらしい。


「実は私は女神様のファンなんですが……サイン貰えたりしないでしょうか?」


「……実は勇者様の配信見てる」


どうやらハナは神に仕えるものらしくルーナのファンであり、バドはユウのリスナーだったらしい。


思っていた以上に世界は狭いものだと感じつつ、マオはこの騒動の黒幕をどうしてくれようかと頭を働かせるのであった。

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