表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

442/1560

樹木の山と妖怪の里 5

2023/06/10 誤字修正受け付けました。

いつもありがとうございます。

シロとクロの2人に案内された先、山の頂は拓けた土地になっていた。


先ず目についたのはこんな山の中に似つかわしくない鉄筋コンクリートなマンション。


そのマンションのすぐ近くには和風な建物があり、賽銭箱や本壺鈴が見えることから神社であることが分かる。


その奥、恐らくこの山頂の中心となる場所には巨大な樹が立っている。


前に鳥居が建てられていたり注連縄が巻かれている事から、この土地の秘密に関わりがありそうなのは一目瞭然だった。


そんな神社の前を巫女装束を着た女性が掃き掃除している。


彼女はこちらに気がつくと面倒そうにため息を吐いてから箒を肩に担いだ。


「やぁやぁ、地主さま。

今日は客人を連れてきたよ」


「客人?

いつもの落ち延びた妖怪の間違いでしょ」


「それは違うよ……こう見えて彼女たち妖怪ではないからね」


シロの言葉を聞いてユウとマオの間に緊張が走る。


自分たちの正体が見透かされているような気がする。


「ふーん、まぁどっちでも良いけど。

あれ……何かあんた達見た事あるような」


「僕はユウでこっちはマオ。

地主さんって……」


「あ〜!

Vで有名な勇者のユウと魔王のマオ!!

えっ?あれってバーチャルの話だよね?

コスプレ?」


「おや、妾達のことを知っておったか。

それに認識障害も効いておらぬようじゃが」


「にゃーーーーー!!!!!」


巫女服の女性がユウとマオに気付いて騒ぎ始めた所でシロが大声で叫ぶ。


「いきなり叫ぶんじゃないわよ、うるさい」


「地主様が暴走して止まりそうにありませんでしたからシロを責めないでください」


「落ち着いてくれて良かったよ。

とりあえずお互いの話を聞こうじゃないか」


「それもそうね。

良かったら2人とも私の家に上がってちょうだい」


こうして巫女装束の女性に招かれた2人は神社の居住区に上がらせてもらうのだった。


♢ ♢ ♢


「この世界が神隠しにあっている調査と解決に来たと……」


「そうなんだよ。

それで分かってる事があったら教えてほしいかなって」


「それは構わないけれど異世界から来た勇者と魔王のVって設定だと思ったら本物だなんてね」


「信じられぬか?」


真央の問いかけに女性は大きく首を振った。


「前なら信じられなかったでしょうね。

でも、ここで現実的にありえない事を体験してしまったから……そんなこともあるのかなってのが率直な気持ち。

ほら、そこに現実にはありえないのがいるし」


そう言って指を差した先には縁側でお茶を啜るシロとクロ。


「良ければここで一体何があったか聞かせてくれない?」


「ええっと……説明が難しいなぁ。

先ずは私の名前はカコ。

祖父の死をきっかけにこの山を相続した正真正銘の人間よ」


「元人間の間違いじゃないのかい?」


「神様予定の人柱の嫁を普通の人間とは言わないでしょう」


「原因が偉そうに言わない!

それに私は自分が嫁入りしたなんて微塵も思ってないんだからね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ