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大きいお風呂は良いところ 6

「ユウよ、もうそろそろいい時間じゃよ」


マオがユウの身体を揺さぶる。


「あ……もうそんな時間か。

それじゃ次のステップに行こうか」


マオに促されたユウは読んでいた本を元の場所まで戻す。


そして、休憩スペースと同じフロアにあるもう一つの施設に向かった。


その施設とは岩盤浴であった。


岩盤浴とは分かりやすく言うと服を着たまま入る低温のサウナである。


サウナよりも低温であるために体に負担をかけずに汗をかいて新陳代謝を促す事が出来る。


また、その名の通りに温められた岩の上に寝転がるのだが、その岩の種類によって様々な効果を得る事が出来ると言われている。


その為にサウナとは違い複数の部屋が用意されている事が多く、ユウ達が訪れたスーパー銭湯でも6つの部屋が用意されていた。


「折角じゃから順番に全て制覇していくかのう」


「さんせ〜い」


2人は水分補給用に購入しておいた水を近くにあった冷蔵庫に入れる。


冷蔵庫の中には利用者のものと思われるペットボトルや水筒が幾つも保管されていた。


岩盤浴は美容効果があるとされていることと、サウナと違って無理な温度でないことから女性の利用客が多い。


だが、女性客が多いだけで男性客がいない訳ではない。


また、施設が用意した専用の衣類を着てそのまま中に入るという構造であるために男女共用である岩盤浴ではカップルで使用している人々もいる。


ユウ達が入った岩盤浴でも女性客の他にカップルらしき男女が楽しそうに談笑しながら岩盤浴を楽しんでいた。


「ここが二つ並びで空いてるからいいかな?」


「うむ。

問題ないじゃろ」


ユウ達は空いた場所にバスタオルを敷いてから寝転がる。


熱せられた岩の上に直接寝るには熱くなりすぎているからだ。


談笑しながら岩盤浴を楽しんでいると数分と経たずにじんわりと汗が出てくる。


岩盤浴を10分弱楽しんだら一度出て休憩し、しっかりと水分を補給してから次の岩盤浴へ。


これらを繰り返した後は再び更衣室に戻っていく。


室内着は2人の汗をたっぷり吸っているので直ぐに脱ぎ捨ててまたお風呂に。


もう一度お風呂を楽しんだ後は最初の服装に着替えた。


階段下のカウンターで室内着やタオルを返した後は受付にリストバンドを渡す。


ここまでの利用項目が表示されていくのを確認し、間違いがない為にお金を払ってスーパー銭湯を出る。


迎えのバスの時間に合わせていた為に2人は直ぐにバスに乗って帰宅する事が出来た。


「本当にいいお湯だったね」


「風呂という習慣はこちらで知ったが良いものじゃ」


「そんなに高いわけじゃないからまた来よう」


「そうじゃな……また近いうちに行こうかのう」


こうして行きよりも少しだけ軽くなった身体と共に帰宅した2人は今日も元気にモニターに向かって配信をするのである。

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