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八景島へ遊びに行こう 4

ペンギンを心ゆくまで堪能した2人は奥へと歩を進めた。


その先には海の生物が悠々と泳ぐ巨大な水槽があった。


「おお、水族館定番のものだ!」


「よく見かける物ではあるが、これを見ると水族館に来たという気になるのう」


ハンマーヘッドシャークやマンタと言った巨大生物にテンションの上がる2人であったが、いつものと思っていた水槽にちょっとした……しかし、嬉しくなるような違いがあった。


「ここが順路になるエスカレーターみたいだけど」


「水槽の中を通っていくのじゃな!」


そう……2階に上がる為のエスカレーターはチューブの形で水槽の真ん中を通るように設計されていたのだ。


2人はエスカレーターをでゆっくりと水槽の中を通っていく。


その美しい光景に2人は元より、周りの人達も真上に向かってスマホのカメラを向けていた。


2階に上がると暗めの部屋の中で様々な魚が展示されているのが分かる。


その中で最も変わっていて2人のテンションを上げた生き物はカニであった。


カニはユウとマオを認識しているのかは分からないが、正面を向いて両手の爪を高々と掲げて威嚇するようなポーズを取っていた。


「このカニって……タラバガニって言うんだ。

よく広告とかで見る美味しいカニだよね」


「うむ、確かに美味しいカニなのじゃが……実厳密にはカニでは無いんじゃよな。

確かという記憶なのじゃが」


「え?そうなの?」


「タラバ……漢字で書くと魚の鱈に場所の場。

鱈の取れる場所の下で獲れた為にそう呼ばれていたそうじゃ。

英語でもキングクラブ……カニの王様と呼ばれているのじゃが、生物学状の分類はヤドカリの仲間じゃったと思う」


「へぇ〜見た目は完全にカニなのにね」


「平たく言うとカニの姿をしたヤドカリと言って良いじゃろう」


カニの蘊蓄を語りながら歩いていると、暗かった通路が益々暗くなっていく。


そして現れたのは巨大なサメ。


深海にいるサメのストレスにならぬように環境を整えている事がよく分かった。


その周りには様々なサメの歯が展示されており、どれも噛まれた箇所がズタボロになるのが容易に想像できる作りをしている。


「僕、旅の時は陸路ばかりで海の生き物と戦うことがなくて良かったよ」


「基本、人間も魔族も変わらぬから生活圏は陸じゃからな。

魔王城を目指す旅で海に行く必要はないのう」


「ゲームでは必ずと言っていいほど海に行くけどね」


「海の生き物はそのまま採用しても魔物で通じるような見た目のものが幾つもおるからのう。

話のボリュームを広げる為にも欠かせぬじゃろうな……そう言っておったら海の魔物の代表格が出てきおったぞ」


「え……あ、本当だ。

ここはクラゲゾーンなんだね」


2人を迎え入れたのは吹き抜けにキラキラと飾り付けられた作り物のクラゲ達。


その吹き抜けの周りには様々な種類のクラゲが展示されていた。


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