八景島へ遊びに行こう 2
八景島のテーマパークに遊びに来たユウとマオ。
2人は入口をキョロキョロと見回す。
「入口がフルオープンなんだけど、入場チケットとかってないのかな?」
「何かあれば分かりませんでした、ごめんなさいで済むのではないか?
とりあえず入ってみれば分かるじゃろう」
そう確認しあった2人はテーマパークの中に足を踏み入れる。
大きなメリーゴーランドの先にチケットと書かれた看板を見つけたのでとりあえずそこに行くことにしてみた。
「うーん、フリーパスとかじゃなくてアトラクションにのる為の単発チケットの販売みたい」
「これは東京ドームのような仕様ということかの?」
そう……八景島と東京ドームのテーマパークは入園料などなく、アトラクションを遊ぶ時にチケットを買う制度なのであった。
その為に近所の人たちが公園と同じような使い方をしており、2人が周りをよく見るとペットを連れて散歩をしている人もちらほらと見かけた。
「多分そういう事だろうね。
今日のメインは水族館だからアトラクションは後回しにしてとりあえず奥の方に進んでみようか」
「それもそうじゃのう」
そう言いながら奥に進んでいき中々の距離を歩いた所で大きな建物が見えてきた。
そこが2人が目的とした最初の水族館である。
横にはチケット売り場があり、水族館の入館チケットを販売していた。
その値段を見ながら2人は4つの水族館を回れるチケットを購入した。
ここでは海の生物をテーマとした場所が四箇所ある。
とは言えメインの水族館を除く三箇所は普通の水族館にあるワンコーナーを大きくした程度の規模なのだが。
それはともかくとして、2人は早速そのチケット売り場の横にある水族館に入っていく事にする。
中に入って直ぐに2人はテレビでしか見たことがない珍しい生き物を見つけた。
「これってクリオネだっけ?
天使みたいって言われてる」
「そうじゃな。
但し捕食する時の姿は悪魔と言われておるが」
「頭から触手みたいなの出してエサの養分を吸い出すんだよね」
「そうじゃな。
因みにこの姿からは想像できぬが巻貝の一種らしいぞ」
「全てにおいて意外性のある生き物だよね。
というか巻貝の一種なら食べれるんだろうか?」
「食べれそうな気はするがのう。
しかし、このような小さくて愛らしい生き物を食べましたなんて公表すれば世間からは非難轟々であろうな」
「それは間違いないね」
こうしてモニターでしか見たことのない流氷の天使の歓迎を受けた2人は、ややテンションを高めながら先へと進んでいった。
天使のような悪魔の捕食




