#三国教授の講義　馬編　２

「韓信が馬を戦車として運用していたわけですが、当然ながらこの時代には既に騎兵も運用されています。

しかしながら韓信の戦車運用の方がインパクトが大きいですね。

そこで舞台を中国からローマの方に移してみましょう」

「ローマでは有名な運用方法があったの？」

「ええ、ありました。

現代でもその戦略を学ぶことになる天才ハンニバルが指揮をした有名な戦い。

これがカンナエ(カンネー)の戦いです」

・聞いたことある

・世界的に有名な戦いだよね

「ハンニバルは漫画で見たことがあるよ！

異世界に歴史上の偉人が転移していく話」

「島津豊久を一躍有名にしたあの作品ですね」

・おいてけ〜か

・あれからゲームにも出るようなったよな

「そうそう。

ハンニバルはボケてるけど偶に良いヒントを出す凄みのあるお爺ちゃんって感じだった」

「そのハンニバルを語る上で欠かせないのがこのカンナエの戦いです」

・なるほど

・ほうほう

「ふーん……そんなに凄いことをしたんだ？」

「そうですね。

これは結論から言ってしまった方が面白いでしょう。

ハンニバルはこの戦いで数が1.５程も多いローマ軍を完全に包囲して殲滅しています」

・え？

・意味が分からん

「……は？

数が、少ない軍が相手を完全に包囲して殲滅？

何か策を講じて敗走させたとかじゃなくて！？」

「その通りです。

援軍が来たわけでもありません。

完全に最初に用意した自軍のみで完全に包囲して殲滅しています。

数の内訳を見ると出典によって多少の誤差がありますが、ローマ軍が８万。

ハンニバル率いるカルタゴ軍が５万です」

・３万の差って……

・1人が2人倒せば勝てる理論

「倍とはいかないけど、似たような数字ではあるね」

「ローマ軍８万のうち１万は駐留していたと言われていますが、それでも７万。

やはり数の上では圧倒的にローマ軍の方が上です。

また、この時代のローマ軍は兵士の練度も高いと言われています」

「うーん、尚更この戦いの結末の理由が分からなくなってくる」

・これはマジで分からん

・包囲して殲滅だもんな

「カルタゴ軍の優位な点は騎兵の練度と数ですね。

騎兵に関してはカルタゴ軍が上で、ハンニバルはこの運用がとても上手でした。

その運用の中でも特筆すべき戦いというのがこの戦いなのです」

「そういえば今回の話のテーマは馬だったね」

・忘れてたw

・そういえばそうだったw

「その通りです。

では、両陣営の布陣について説明したらリスナーの皆さんが考えられる時間という意味でも一旦休憩と致しましょう」

「その間にハンニバルがどのような作戦を取ったか予想してって事だね」

・はーい

・分かりそうにないw

「有名な話なので知っている方は笑いながら見ていてください。

両陣営共に歩兵部隊が中央。

両翼に騎兵が配置されています。

カルタゴ軍は中央が突出している逆Vの形です。

そしてカルタゴ軍の方が騎兵が多いのですが、左翼に多く配置されていました。

この説明を持って休憩とさせていただきます」

「飲み物取るなりトイレに行くなりしてくるといいよ。

僕も飲み物取ってくるね」

・飲み物とってくる

・トイレ行ってこよ