恐竜国取合戦 決戦編11
「ユウ、何があったのじゃ!」
ナコの死亡ログに慌てたマオの通信が入る。
「やられた……恐らくは前面にある大きな建物にアルゲンタヴィスを隠しておいて、僕が囮のプテラノドンを引きつけたタイミングで上空に飛んだんだろうね。
お陰でケツァルコアトルスが爆撃された」
「向こうの方が一枚上手じゃったな。
作戦を中止して引き返すかの?」
「いや……やられっぱなしは癪だよね。
ケツァルはまだ無事だから、まだやりようはあるよ。
ただ、この子を使うと確実に命を落とすと思う……八起子はそれでもいい?」
ケツァルコアトルスのプラットフォームを改造して手を掛けていたのは八起子である。
彼女に反対されたら引き返そうと思っていたのだが
「やってください」
と八起子は答えた。
「いいの?」
「ナコがやられたのは私の落ち度です……真上からの攻撃にも備えるべきでした。
それでも、相方がやられると言うのは思った以上に堪えるものです。
だから……徹底的にやっちゃってください」
「分かった!
プランも僕に命預けておくれよ」
そう言ったユウは口笛でケツァルコアトルスの支配権を握るとそのまま高天ヶ原の要塞に突っ込んでいく。
「ユウ……頼んだのじゃ」
「ナコの仇お願いします」
ユウのいる方向へ祈る2人の後ろでは
「あの〜自分は死んでも復活できるからもう戻ってきてるんスけど」
復活して戻ってきたものの、そんなことを言い出せない雰囲気のナコが立っていた。
♢ ♢ ♢
パラケラテリウムでNNSの武装化された門を攻める天照子一行。
だが、タレットの弾幕は厚く、富国、モニカ、バスの3人の射撃も加わって中々攻略出来ないでいた。
そんな時に空から攻めあぐねていたメルに連絡が入る。
「そんな!?
大変ですよ、天先輩!!
新魔王軍に拠点が攻められているそうです」
「慌てない!
こっちに来てないんだから私達の所に攻めてきてるなんて分かっていることでしょ」
「なら、急いで戻って防衛の手伝いをしないと」
「私達の復活地点は最硬の壁に守られているんだから大丈夫よ。
それよりもサッサとあの拠点落とすわよ」
「でも、あの防壁は致命的な弱点が……」
メルが自身が気付いた致命的な弱点を説明しようとした時である。
高天ヶ原の復活地点が壊されました。
高天ヶ原の敗退が決定しましたのでバトルフィールドから転移させます。
というログと共に瞬時にフィールド外に放り出される高天ヶ原の面々。
そこには離れて拠点を守っていた筈の蝶子とショウタもいた。
「一体何があったの?」
「復活地点が吹き飛ばされました」
「どう言うこと?」
「そのままの意味ですよ。
復活地点が吹き飛ばされて壊されました」
「あんな強固な壁で囲っていたのに……なんで!?」
雄叫びをあげる天照子に対してメルは恐る恐る説明しに行くのであった。




