恐竜国取合戦 決戦編6
ユウはプランに乗りながら仲間達に指示を出す。
「ティタノ相手に恐竜をぶつけても踏み潰されて終わるから足代わりに使う恐竜以外は全部基地待機で」
「空からの攻撃ならどうじゃ?
あれを出しても良いと思うのじゃが」
「……あれはまだ取っておくべきだと思う。
それよりも物資を持ち込めるルールのお陰で歩兵装備の補充は効くからそちらを優先して消費していこう」
「了解っス。
それで具体的に自分たちは何をすればいいっスか?」
「僕が操縦者を何とか始末してくる。
操縦者を失ったティタノは無軌道に暴れると思うから遠距離からロケランで攻撃お願い」
「オーケー!
イチバンランスは任せたネ!!」
「八起子は爆発物を中心に今から量産体制で」
「分かりました」
「それじゃ行ってくる……プラン、頼んだよ」
♢ ♢ ♢
「あっはーーーーーーー!!」
「バス、テンション上がるのはいいけど相手の拠点探さないと」
「大丈夫やって。
最強!最大!無敵!のティタノを見れば敵さんも戦意を失うやろ」
ティタノサウルスの背中に備え付けられたプラットフォームには新人トリオの内の2人、バスとモニカが乗っていた。
操縦はバス、護衛にモニカという組み合わせである。
バスは余裕の表情でティタノを操縦していたが、状況を甘く見ていないモニカは敵に備えていた。
そして、その敵は意外な所からやってきた。
♢ ♢ ♢
ユウはティタノサウルスよりも遥かに上空に飛び上がる。
プランをプラットフォームの真上でホバリングさせると数回の深呼吸をしてプランの背中から飛び降りた。
この高さから叩きつけられれば即死は免れないが、ギリギリまで引きつけた所で墜落された時用に作っておいたパラシュートを開く。
パラシュートを巧みに操作したユウはティタノサウルスのプラットフォームに降り立つ。
「やはり貴女が来ましたか……ユウ先輩」
「先陣切って突っ込むのはいつだって勇者の役目だからね。
サッサとコイツを止めたいから君が護衛なら倒させてもらうよ」
「ふふふ……私たちも狙われているのは分かっているから無策じゃないんですよ」
モニカはそう言って恐竜球を取り出して目の前に叩きつける。
現れたのは恐竜……ではなく、巨人の形をした岩の塊であった。
ゴーレム研究家のモニカが護衛に用意しておいた秘密兵器は本当にゴーレムだったのだ。
「驚いた……それ、別の島に行って転送しないと持って来れない奴だよね。
手に入れるのに時間かかったんじゃないの?」
「苦労しましたがゴーレムがいると聞いては手に入れないわけにはいきませんからね。
ユウ先輩、勝負です」
「……今の武装じゃ心許ないけどやるしかないか」




