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恐竜国取合戦 3

「プテラノドンを捕まえてきたようじゃが、それで一体どうするのじゃ?」


「このゲームって中型以上の恐竜なら背中に乗ることが出来るんだよね。

だからプテラノドンに乗ってちょっと周りを探索してくるよ」


ユウはそう言ってプテラノドンの背中に乗り大空へと駆け上がって行く。


「このゲームはそんな事も出来たのじゃな……それでは妾達は拠点を整えながら大人しく待つとするかのう」


ペットになった草食恐竜に話しかけながら、マオは再び周りの素材集めを始めた。


一方でユウは空から周りの地形を観察して行く。


「遠くにある火山がかなり怪しい気はするけど何となく危ない気もするんだよね。

周りは……やっぱりラプトル以外は草食ばっかりかな」


近くにいないと声が届かないので独り言となってしまった言葉を呟きながら辺りを探索する。


鉄らしきものが見つからない中で海岸沿いにプテラノドンを飛ばしていると、その先に小さな島を見つけた。


その島から煙が上がって人工物が見えていたので降り立ってみると、明らかに誰かの拠点である場所を見つけた。


「ここ、誰の拠点だろう?」


この手のゲームにありがちな死ぬと回収するまでは全ロスという仕様上、最低限の衣服だけを纏ってやってきたユウは恐れることなく拠点を訪ねてみる。


そこには幾つもの炉があり、それをフル稼働させていた為に上がっていた煙だという事が分かる。


「ファット!?」


聞き覚えのある声に振り向くと、そこには金髪の女性アバターが立っていた。


「ここってハニーの拠点なんだ」


聞こえてきた声とアバターの上に浮かんでいる名前から中の人間を言い当てる。


「お〜ユウもこの世界に来たのネ!

マオは一緒じゃないですか?」


「マオは僕たちの仮拠点でお留守番。

僕達始めたばかりでよく分からないから鉄を探して周囲を探索してたんだ」


「そうなんですネ。

鉄はこの島に沢山あるよ。

良かったら案内するネ」


「それは助かるけどハニーは鉄集めの為にここを拠点にしてるんじゃないの?」


「ワタシは必要な分はもう揃うヨ。

だから、気にしない」


「それじゃお言葉に甘えようかな」


ハニーの案内でユウは島にある鉄を含む岩というものを確認した。


それは普通の岩とは違い黄色くなっていて違いは一目で分かった。


「ワタシは必要な分を船に乗せたら新天地に旅立ちまーす。

この拠点は使っていいですヨ」


「それは助かるよ……って、そうか。

鉄集めた後に運ぶなら船を用意したほうがいいのか」


「そうですネ。

とりあえず集めた鉄を炉にぶち込んだら拠点に戻って船を作ってくるといいでーす」


「そうするよ。

色々ありがとね」


「ユウとマオにはお世話になってまーす。

だからこれはオンがえしよ」


「ありがたく受け取っておくよ。

ハニーも気をつけて旅に出てね」


「オフコース!

ユウ達もファイトよ」


こうしてユウは集めた鉄をインゴットに変える為に炉に入れてからマオの所に戻って行く。


二人は材料を集めて船を作り、その中に拠点としての機能を丸々移すことにした。


だが、二人はまだ知らなかった……この海には恐るべき生き物が存在している事に。

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