ジェシー、感極まる
「ここがあの女達のハウスデースね!
たのもーーーーー!!」
ジェシーは予め調べていたくじよじの事務所にやってきていた。
そして、特に躊躇すること無く入り口の扉を開く。
「え?な、なに?」
「なんじゃ?なんじゃ?」
「あら、お客さん見たいね。
いらっしゃーい」
タイミングが良かったのか悪かったのか?
この時、偶々打ち合わせに来ていたユウとマオは唐突な珍客に驚き、里中は何故か全く焦る事なく余裕の態度でジェシーを出迎えた。
一方のジェシーはというと扉を開いて最初に目に飛び込んできた光景でフリーズしてしまう。
憧れの2人に会えないかとやってきた事務所に入って早々に、モニターから飛び出してきたとしか思えない人物がいたからだ。
「何か扉を開いた姿勢で固まってるけど?」
「大丈夫かの?
ポーションとか余ってるから飲ませてみるかの?」
流石に様子がおかしいと思ったユウとマオが近づきがら声をかけるとジェシーはぶるぶると震え出した。
そして……
「インクレディブーーール(信じられない)!
貴女達、ユウとマオでーすよね?
2人は勇者と魔王では無くてビデオなガールだったのですか?」
「え?どういう事?」
「一体何のことじゃ?」
ジェシーの言葉は2人には訳が分からなかったが、里中だけは
「あら、懐かしい。
随分古い漫画を知っているのね」
と呟いた。
「オフコース!
ワタシ、ニホンの漫画、アニメ、ゲームが全部大好きデース。
本物の勇者と魔王がいると聞いてニホンにやってキーマしたが、まさかビデオなガールに会えるとは思わなかったです」
ジェシーはそう言って2人を抱き抱えてすりすりと頬擦りし始めた。
ジェシーの身体は本場アメリカ育ちというだけあって女性にしてはかなり大きく、ユウとマオを余裕で包み込んでしまった。
更にボリューム満点のオッパイまで迫ってきた結果、2人はガッツリとロックされてしまう。
「うーん、初めてなのに安心してしまうから不思議」
「これがおっぱいの魔力という奴かの?」
「オー?ワタシも魔力ありマースか?
魔法使えるなら使ってみたいデース」
「何となく話は見えてきた気がするけど、貴女お名前は?」
「ハーイ、ワタシの名前はジェシー・メルボアいいまーす。
ユウとマオに会うために仕事辞めてニホンにやってきーました」
「あらあら、行動力の塊みたいな子ね。
ジェシーちゃん、2人はそのまま連れてていいからソファーでお話ししましょうか」
里中がそう言うと2人は「え!?」という顔をする。
「貴女達、脱出しようと思えば出来るのにされるがままになってるんだから、そこは余程居心地がいいんでしょ?」
「いや、確かにそうなんだけど……」
「暫くは異人さんのダイナマイトボディを堪能するしか無いのう」
「ワタシもベリィベリィプリティな2人といられてハッピーでーす。
たくさんお話ししましょー」
こうして机を挟んで片側のソファーに里中が、その対面のソファーにはユウとマオを抱き抱えたジェシーという何とも言えない構図で座ってのお話が始まった。




