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プライベートな新人歓迎会 1

とある日の午後、新人歓迎パーティという事でユウとマオの家に呼ばれたナコと八起子。


「お邪魔するっスよ!

ここがパイセンの家なんスね」


「お、お邪魔しま〜す」


2人は別々に押しかけるのも悪いだろうという事で一旦事務所で待ち合わせをしてから田中家に向かった。


「お、いらっしゃい」


「今日はヌシらの歓迎会じゃからのう。

遠慮せずにゆっくりしていくのじゃ」


2人は料理の準備をしているらしく、扉を開けた瞬間から美味しそうな匂いが漂ってきた。


「あ、パイセン!

何か手伝う事があったら言ってください」


「わ、私も手伝いますよ」


2人は先輩に働かせているのが申し訳なくて手伝いを申し出たのだが、


「今日の主役なのじゃからどっしり構えておけば良いぞ」


と断られる。


更に


「そうそう、そこにいるルーナを真似するくらいでいいよ」


と言われたので部屋の奥を見ると女神とは思えない程にだらけた姿のルーナが端でゲームをプレイしていた。


「ルーナパイセンもいたんすね。

何のゲームをしてるんですか?」


「あ、これ今話題の狩ゲーじゃないっスか」


ルーナは集中しているのかポチポチとゲームをしている。


2人はそれを見守っていたのだが・・・


「あー!またやられてしまいましたわ!!」


と叫んで立ち上がった。


画面には見事にクエスト失敗の文字が出ている。


「惜しかったっスね、パイセン。

でも、弓の使い方間違ってるっスよ」


「あら、集中してて気付きませんでしたわ。

お二人ともいらっしゃい。

所で何やら自信ありげですね。

見本をお願いしてもいいですか?」


「いいっスよ〜」


ナコはコントローラーを受け取って慣れた手つきでゲームを進めていく。


「パイセン、弓の戦い方は矢を撃つんじゃないんスよ。

このゲームの正しい弓の使い方は矢を持ってクルクル回りながら斬りつけるんス」


「はぁ?

それでは弓の意味が無いではありませんか?」


「うん、それじゃ遠距離武器じゃなくて近距離武器だよ」


「へ?弓は近接武器っすよ」


ナコの言葉に2人が疑問を口にするが、ナコの方こそまるで意味が分からないという顔で答える。


そして彼女が見せたお手本プレイでは言葉通りにモンスターの周りをクルクル回りながら矢で斬りつけていき、偶に垂直ジャンプをしたかと思うとそのまま直角に落ちながら斬りつけている。


言葉通りに全く矢を撃っていない。


そうしてあっという間にルーナが苦戦してやられていたモンスターを倒してしまった。


「ほ、本当にこれは近接武器ですわね」


「ルーナ先輩がやられた時間の半分くらいで倒してるし、こっちが正しい戦い方ってのも納得」


「だから言ったじゃないっスか。

このゲーム割と得意なんで何でも聞いてくださいっス」


ナコが胸を張ってそう答えた時に3人を呼ぶ声が聞こえた。


「おーい、ご飯の準備できたよ」


「早速始めるのじゃ」


こうして新たな仲間を迎え入れるパーティの幕が開ける。


今作の弓は近接武器です。

これは間違いない。

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