ナコの洋楽話 1
迷いましたが、今回のお話に出てくる楽曲はどれもオススメの神曲なので、そのまま宣伝することにしました。
何か言われたら伏せ字にします。
「地道に宣伝するしかないんすかねぇ」
その日、マオ達の家に遊びに来ていたナコと八起子。
ユウは軽く配信する予定があった為、2人をもてなしていたのはマオであった。
しばらく談笑していたのだが、トイレに行きたくなったマオが席を立ち、戻ってきた時にナコが呟いていたのが上記のセリフであった。
「何の話をしているのじゃ?」
「あ、すいません。
聞こえちゃってたっスか」
声をかけたマオに対して、ナコが申し訳なさそうにする。
「この間、2人で歌枠をやったんですよ。
勿論、ナコが演奏で私が歌う役で。
その時のテーマというのが」
「洋楽だったんス。
往年の名曲から、ここ最近……と言うほどではないんすけど、10〜20年くらい前に流行った曲って感じで」
「ほう、それは面白そうじゃな。
後でアーカイブを見てみるとするかのう。
しかし、2人の実力ならウケそうな企画だと思うのじゃが……上手くいかなかったのかえ?」
成功していたのであればここまでナコが浮かない顔をしているわけがない。
そう当たりをつけたのだが、ナコは首を横に振った。
「企画自体は大成功っス。
視聴者数は今でも伸びてますし、ライブ配信の時のコメント欄も盛り上がってたっスよ」
「それでは、何故そんなに悩んでおるのじゃ?」
「そ、それは……」
「ナコが最近だ思っていたアーティストも意外と知られていなかったのがショックだったんですよ」
言いにくそうにしていたナコと違い、あっさりとバラしてしまった八起子。
「なんじゃ、そんな事か」
「そんな事じゃないんスよ!
まさかマルーン5が分からないとか予想してなかったんスよ!!」
今回の歌枠で、特に曲数を多めに用意していたのが彼らの楽曲であった。
『Sunday Morning』 『This Love』『Sugar』など、いずれも配信では億の再生回数を超え、最後に説明した曲に至っては40億の再生回数を超えている。
だが、2人の視聴者の大半は名前を初めて聞いたという反応をしており、洋楽大好きなナコはその知名度の低さにショックを受けていたのであった。
「ジェネレーションギャップというやつなんですかねぇ?」
「いや、日本人に洋楽の馴染みが浅いだけだとは思うがのう。
しかし、こうして配信した事で知ってもらえたのであれば良いではないか」
「そうなんですけど……日本での洋楽の廃れ具合にショックを受けてしまって……」




