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幽霊は物理で対処しろ 1

「ちょっと時期を逃しちゃったかな」


「おや、何を見ておるのじゃ?」


ユウとマオが住んでいる部屋のいつものリビング。


そこでユウは他の配信者の動画を眺めていた。


「全く知らないゲームで面白そうなのがあったから見てみたんだけど、想像の斜め上をいってたんだよね。

面白そうだなとは思ったんだけど、今からやり始めるのも少し遅れてるかもって」


「ほう、どんなゲームなのじゃ?」


「先にPVの方を出すから待ってて」


そう言ってユウが出した1分ほどのPY。


それを見たマオは思わず吹き出してしまった


タイトルの様子からホラーゲームと予想して身構えていたマオ。


だが、このゲームはマオが想像しているよりもずっと怖く無かったのであった。


「まさか幽霊に対して物理が効くとはのう。

銃からバット、墓石まで武器ならなんでもありじゃな」


「ねぇ、井戸から出てくる幽霊が、テレビのモニターを叩き割りながら勢いよく飛び出しくるし」


「ゆっくりではなく、猛ダッシュでやってこられると、お化けとしての怖さは激減してしまうのう、

後はアレじゃ。

幽霊が戦いの前にボクシングみたいなファイティグポーズを取り出したのも、怖さが半減じゃわい」


「幽霊って動きが少ないから怖いのであって、人間と変わらない動きをしていたら怖さがなくなるんだって思い知ったよ」


PVの中に出てくる幽霊達は、足元までつきそうな黒髪ロングに白いワンピースという、如何にも日本の幽霊です!

と言わんばかりの格好をしていたのだが、ユウ達が話す通りに動きが一々生きている人間と変わらないため、その怖さが全く感じ取れないのであった。


「この主人公も明らかにおかしいのう。

セーラー服にテニスラケットのケースのような物を背負った一般人じゃと思っておったのに。

途中からマシンガン、バットに墓石を振り回して幽霊をボコしておったぞ」


「あ、その姿のまま、途中でタバコ吸うシーンもあるからね。

お前何歳なんだよって思ったら、作者さんのページでは26歳。

ゲーム販売サイトのキャラ説明では27歳。

まぁ、多分販売サイトのほうが後からの情報だから、こっちが正しいんだと思うよ」


作中でも当時使っていた本物が、背が伸びていないから着れると話していたり、周りからはコスプレと言われているので、本物の女子高生でない事は明白であった。


また、様々な銃火器の扱いに加えて近接戦闘もお手の物、更に何事にも物怖じしない胆力など、そのフィジカルとメンタルも彼女がそれなりに歳を取っている事を表していた。


ここまでならばただの馬鹿ゲーだったのだが、現在圧倒的な高評価を受けているのには、別に理由があったのである。

近畿霊務局、めっちゃ面白いです。


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