#巫女さんのお悩み相談 4
「本当にですね、少し調べたら怪しい話だってのは分かるのにそれをしない。
リスクを見ない事によって避けられると思い込んでいる人には何を言っても無駄ですから」
「一言でまとめてくれてありがとう。
さて、時間的には次のお悩み相談で最後かな?」
・もう終わりか
・何やかんやで巫女さんの話が参考になる
「では、最後もランダムに行きましょう……これですかね」
『唐突にこのようなお便りを送って申し訳ありません。
自分は気になる異性と遊びに行くのですが、何故か上手くいきません。
ひとしきり遊んで食事に行って1日を終えるのですが、次に繋がらないです。
食事のお店に関しては、自分が食べ歩きで開拓した味が間違いないお店です。
正直、何が悪いのか分からないのでアドバイスをお願いします」
「うーん、これはちょっと僕には難しいかも……巫女さんは分かる?」
・さっぱり分からん
・俺らに恋愛相談は無理だな
「まぁ、なんとなくですけどね。
本当は本人から事細かに聞いて確認したいところですが、恐らくの推理混じりで良いですか?」
「うん、もちろんだよ」
・これだけで分かるのか
・断片すら見えてこないんだが
「恐らく食事に行くまでは付き合ってくれているし、そこまで失敗した感触がないのであれば、ここまでは特に問題ないんですよ。
そうなると、問題は食事の場面ですよね」
「お店は自分が調べた美味しい店って言ってるけど」
・美味しいならええやろ
・好みと合わんかったとか?
「この調べたというのがポイントな気がしますね。
そうなると、所謂チェーン店では無いと思うんですよ。
店の内装とかも分からないので恐らくになりますが……あまりゆっくり話せるような環境の場所じゃ無かったのではないですか?」
「あ、そういうやつか」
・どういう事?
・店の作りが悪いって事?
「例えばやたら狭くて他のお客と近かったり、清潔感が無かったり。
またはサラリーマンとかが食事をするだけの場所だったり。
そういう、デートの締めにゆったりと話しながら1日の統括をするのに相応しくない場所だった気がしますね」
「女の子はね、食事の美味しさも大事だけど、それ以上におしゃべりをしに食べに行ってるんだよ。
だから、そこで満足に話せずに解散だと不満が溜まるんじゃないかな」
・そうなの!?
・男には難しい考え方だな
「終わり良ければの逆パターンですね。
あと、これはアドバイスですがなるべく話を聞いてあげてください。
少なくとも、話のターンは交互に投げ合って自分の話ばかりにならないよう」
「話を聞いて欲しいだけだからね。
下手に反論したり否定しても面倒になることが多いよ。
そんな食事の場なら大して重要なことを話しているわけでもないからね。
云々と頷いてくれたら満足だから」
・意外と出来てなさそう
・この間、それは違うよって言っちゃった
「本当にガチのアドバイスを求めている時は、またそういう空気を出しますからね。
という事で、この方は次回デートすることがあれば、チェーン店で個室のある店を選んでみたらどうですか?」
「少なくとも学生が好んで使うようなお店は避けた方がいいと思うよ」
・はい!
・機会があればそうします!!
「いや〜今回も有意義な会になりましたね」
「……正直、本当に有意義になっているから何も反論できない」
・勉強になったわ
・色々と面白かった
「それでは今日はこの辺で終わりましょうか。
ユウちゃんも長い時間ありがとうございました」
「こちらこそ色々と考えさせられたよ。
呼んでくれてありがとう」
・おつかれさま!
・楽しかったです




