肝試しの夏休み 1
「いや〜今年も面白そうだね」
「妾達が呼ばれることは無いんじゃがな」
ユウとマオが並んで見ているのは、他の配信者の放送であった。
そこでは世界的に大ヒットしたブロックを並べて建築をしたりして楽しむゲームが映っている。
「まぁ、それは仕方ないんだけど……一回は行ってみたいよね」
「普通にワールドを探索するだけで面白そうだからな」
画面の中では、ユウ達が見ている配信者の他にも、別の配信者が捜査しているであろうキャラクター達がわちゃわちゃと動いていた。
その世界の中は夏祭りをやっているようで、数々の出店やミニゲームのある場所を回っている。
時折、妖怪のようなものと出会ってビビる配信者がいるのもご愛嬌であろう。
こうして夏祭りの会場を回っていた配信者グループだが、一定時間経つと誰かに呼ばれて移動を始める。
「お、遂に本編が始まったかな」
「毎年、これを楽しみにしておるからのう」
毎年9月の終わりから10月の始め頃に始まるのがこの企画、肝試しである。
多数の配信者が招待される特別マップで行われるのだが、肝試しだけがメインでは無い。
配信者達が自由に見て回り、時間を潰すことが出来る建築や、釣りや射的のミニゲーム。
各所に残る伝承や文献。
それらを参照して見つけ出すことが出来る七不思議など様々であった。
開発者曰く、開催期間いっぱい遊び尽くせるようにという心遣いらしいのだが、ある配信者は開催日の間に全てを見ることは難しいとボヤいていたのだとか。
更に毎年エリアが拡大しており、新たなエリアにもミニゲームや七不思議が設置されているなど遊びごたえ抜群の空間。
招待された配信者達は、ここで時間を潰し、予定時刻になると肝試しの場所へと招待されるというシステムなのであった。
今2人が見ている配信者も時間になって呼ばれ、今年の肝試し会場へと移動していた。
因みに去年より以前の肝試しに関しては過去マップとして体験できるようになっており、こちらもこの場所のボリュームを上げている要因であった。
「今年のテーマは夏休みだっけ?
どこかの夏休みゲームのバグみたいに、8月32日がメインだったりして」
「ここの主催者なら、それを取り入れていそうじゃがな。
まぁ、余計な予想はせずに楽しんだほうが良いじゃろう」
今年のマイクラ肝試しも面白かったですね。
去年からホロライブの方も大勢招待されるようになり、認知度は上がったのでは無いでしょうか?
ロビーとなる場所の名前は前川郷と呼ばれており、この名前で検索すると、このエリアがどれだけ作り込まれているかが分かると思います。




