映画感想女子会 2
「やっぱり王道は素晴らしいね」
「うむ、子ども向けと甘く見てはいかぬな。
良いものは良い、それがこの世の理であろうよ」
「私はいつもながら最後のエンドロールに出てくるイラストが好きでしたね。
今回初めて会ったチームたちが一緒にお出かけしてるのを見るのは和んじゃいますよ」
2本目の映画を見終わった3人は、今度は駅近くにあるしゃぶしゃぶ屋さんへと行き、その店で感想会を始めたのであった。
「今回ゲスト参戦した2チームって特に好きだったから、出てきてくれただけで嬉しかったなぁ」
「ユウは特に去年の作品が気に入っておったからのう」
「うん、全員好きだけど特に主人公の子がね。
最初に戦った敵幹部との決着でも、見捨てられて始末されそうになる幹部に手を差し伸べて絶対に見捨てないってシーンで本当に好きになったんだよ。
その時に思ったんだよね……この子は本当に心の底からヒーローなんだって」
去年の作品は女の子でもヒーローになれるというテーマだったのだが、その意味をユウが真に理解したのはそのシーンだった。
そのために彼女の中で強く記憶に刻まれていたのであった。
「私は魔法使い組が好きですね。
あそこのチームの夫婦感と親子感は、他の作品にはない独特の空気という感じで好きです」
「あそこのチームは全体でも特に家族感が強いからのう。
しかし、事前に知らされていたとは言え、あの動物が喋ったのには驚いたのう」
「しかもかなりのイケボだったからね。
あれは幼女たちの性癖をバグらせそうだよ」
映画公開直後に事前に告知がされていたのだが、今回の登場キャラの動物の中にCVが付いていたものがいたのだが、可愛らしい見た目に反して声は超絶イケボであった。
さらに人間に変身して見た目は可愛いショタなのに、声はそのままイケボという仕様は、初めてこのようなジャンルに触れる小さいお友達には刺激的だったかもしれない。
「本編ではもうそろそろ追加の戦士も出てくるでしょうし、これから先の展開も楽しみですね」
「映画はあくまで番外編って感じだからね。
でも、今日は一日2本のスケジュールを敢行して良かったよ」
「本当にのう。
良い刺激になったわい」
食事を終えた3人は帰路に着く。
あらかた話したいことは店の中で済ませたため、何となく思いついた取り留めのない会話が、マンションに帰るまで続いたのであった。




