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ダーツで遊ぼう 7

チャイナドレスを着た店員が現れた時、周囲の野次馬達が一斉に色めきだった声を上げた。


それもその筈で、ボサボサとした髪を整えて顔を出し、軽い化粧で整えてあげただけで、どこに出しても恥ずかしくない美女になったからである。


また、制服の前掛けをしていた頃にはどこにその質量を隠していたのかと言いたくなるほどの豊かな物が、チャイナドレスによって前面に押し出されていた。


「ちょっ、視線が恥ずかしいんですけど……」


「それだけ注目されてるってことだよ」


「うむ、妾達の目に狂いは無かったな」


ユウとマオに連れられて野次馬達の前に立った店員だが、その視線と恥ずかしさから思わず身を捩った。


しかし、その羞恥心が野次馬達には更なる刺激となったようで、その注目はますます高まっていったのである。


「はーい、それじゃ……僕たちはもうそろそろ帰ろうと思うんだけど、代わりにお姉さんに教わりたい人いる?」


「丁寧に教えてくれるので、かなり分かりやすい事を保証するぞ!」


「え!?」


ユウとマオがそう宣言すると、野次馬達の中から数人の手が上がるのが見える。


戸惑う店員に二人は笑顔で語りかけた。


「ダーツ、広めたいから一生懸命教えてくれたんでしょ?」


「これは教えてもらったお礼じゃて。

これで少しは流行るといいのう」


「お二人とも……本当にありがとうございます」


二人に真意を伝えたつもりはなかったのだが、相手が上手だったと思い、素直にお礼を伝える店員。


新たな儲けの香りを感じ取ったのだろうか……事の成り行きを見守っていた店長もニコニコ顔である。


こうして、来た時に比べたら遥かに賑わっているダーツコーナーを背にして二人は去っていった。


後日、このダーツコーナーではコスプレ美人店員のレッスンが話題となり、ダーツの筐体は増台され、かつて以上の賑わいを見せるようになったのだという。


その際にレッスン代が発生したり、女性限定ではあるが、店員さんと一緒にプリクラを撮ると言ったサービスが大盛況になったのだという。


風の噂でそんな話を聞いた二人の顔には、にこやかに微笑んでいたやり手店長の顔が浮かんでいたそうである。

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