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ダーツで遊ぼう 5

「クリケットというのは簡単に言うと陣取り合戦です。

1から20点のゾーンとブルという、全部で21のゾーンを取り合います。


またも店員の案内に従って的に近づくユウとマオ。


店員は手に持ったマイダーツを使って分かりやすく説明していく。


「ゾーンを自分の陣地にするには、その陣地に3本のダーツを打ち込む必要があります。

ただ、ダブルは2本で、トリプルは3本扱いになりますね」


「つまり、トリプルに入れれば一回で自分の陣地になるってことかな?」


「その通りです。

なので、自分のターンで最大3つの陣地を得ることが可能ですね」


「ふむふむ、そうなるとブルに関しては中央がダブル扱いじゃったから、陣地にするには最低でも2回は投げ入れる必要があるというわけじゃな」


「そのとおりです。

ブルは狙いやすいですが、この縛りのおかげで果たして狙うべきなのかを考えさせられますね」


店員がトリプルやダブル、ブルにダーツを刺しながら説明してくれておるおかげで分かりやすい。


ふと辺りを見ると、美少女2人に対して分かりやすい説明をしている店員という構図が面白いのか……少しずつ人が集まってきていたのであった。


「これは陣地を多く獲得した方が勝ちとかそういうルール?」


「いえ、普通に得点を稼いだ方が勝ちですね。

陣取り合戦の間は得点が入りませんが、陣地になった所に投げ入れたら、額面通りの点数が入ります。

ただ、誰が投げ入れても点数が入るのは陣地を所持している人に入ります」


「狙いが逸れて他人の陣地に入ってしまった場合、その持ち主の点数になると言うことじゃな?」


「その通りです。

逆に言うと、20点のトリプルに入れ続ける自信があるなら普通のカウントアップとたいして変わりませんがね」


「それは難しいんだけどね。

そうなると最低2回は投げ入れる必要があっても、投げ入れやすいブルは押さえておきたいってことになるわけか」


「そうそう、そういう思考が出来るのはこのゲームに向いている証拠ですよ。

後は相手の取った陣地の左右を取ってプレッシャーをかけたりなど、人によってはやり方は様々です」


「ふむ、戦略性もあって面白そうじゃな。

折角じゃからひとつやってみるとしようかのう」


「うん、やろうやろう!」


こうして一通り説明を終えた店員が一息をついてフッと息をつく。


そうして落ち着いたところで違和感を感じ、辺りをぐるっと見渡してみると、幾つかの興味深そうな視線を感じたのであった。

補足するのを忘れていましたが、スタンダードルールでは15〜20点の陣地しか有効ではなく、相手の陣地に入れても無効扱いです。

また、どこが陣地になるのか完全なランダムというルールもあります。

自分がやっていたのがこういう何でもありなルールだったので、今回はこちらを採用させてもらっています。

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