ダーツで遊ぼう 1
それはユウとマオがゲームセンターに遊びに行った時のことであった。
UFOキャッチャーで探していたプライズをゲットし、ホクホク顔だった二人は適当に室内を歩いていたのだが、ふと端にある物が目についた。
「あれってダーツの機械だよね?」
「うむ、今は誰もやっておらぬようじゃがな」
そこには一台のダーツ筐体が置いてあったのだが、その周辺には誰もいない。
人気がなくて段々と端に追いやられてしまったというのがよく分かる。
興味を持って近寄ってみると、ダーツ筐体の他に座れる場所や机があり、机の上には羽ペンのような物が何本か刺さっていた。
「マオはルール分かる?」
「いや、何となく聞いた覚えはあるのじゃが。
説明しろと言われるとサッパリじゃな」
「ちょっとやってみようかと思ったけど、よく分からないんじゃ……」
「ダーツに興味がおありですか!?」
筐体の操作も分からないので離れようとした時、突然何処からか店員が現れる。
「あれ?さっきまで居なかったよね?」
「ダーツ筐体に興味を持たれている人の気配を感じて全力ダッシュでやってきました」
「そ、そうなんだ。
ただ、よく分からないからもう離れ……」
「それでは体験コースとして一回分サービス致しますね!
先ずはオーソドックスなカウントアップから参りましょう!!」
「ダメじゃ、この娘……妾達の話を聞く様子がなさそうじゃ」
「まぁ、説明してくれそうだし、タダだって言うから付き合おうよ」
ユウ達の言葉を勢いで封殺した店員さんはとてつもない早さで準備を進めていく。
「お待たせしました!
あ、こちらはマイダーツをお持ちでない方の為のハウスダーツです。
軽いので気をつけてくださいね」
そう言って渡してきたのは、先ほど机の上にあった羽ペンもどきであった。
「へぇ〜本当に軽いね。
というか、普通のダーツだと重いの?」
「こちらは私のマイダーツですが良ければご覧になりますか?」
「是非」
そうして渡されたダーツは適度に重量がある。
全体的に何かの金属で出来ているのが分かり、手にズッシリとくる重さであった。
「へぇ、本物のダーツってこんな風に出来てるんだ」
「中々興味深いのう」
マジマジとダーツを見つめる二人に、店員は嬉しそうにここぞというアピールを始めた。
「これから行う予定のカウントアップというルール限定ですが、ハウスダーツで500点を超えたお客様にダーツのプレゼントを行っていますので、良ければご参加ください」
過去にダーツ関連の話を書いた記憶があったり無かったりするので、無かったことにして一から聞いてやってください。




