#巫女さんと考える紫式部 3
途中で話が脱線しますが、最終的には戻ってきますのでご安心を。
「未来人かどうかなんて分かりませんが、彼女が己の性癖を叩き込んだ作品が、千年経った今でも楽しまれているのは紛れもない事実なんですよね」
・大河ドラマになってるしな
・性癖……事実ではあるけど
「現代風に手直しする手間も少ないというのは、ドラマとしても作りやすそうで良いですよね」
・確かにそれはそう
・ひょっとして日本人って千年前から変わってない?
「性癖に関して新しいと思っていたものが、実は昔からあったというパターンもありますからね。
猫カフェ……とは少し違いますが、猫を愛でる文化も昔からあったみたいですね」
・ねこです よろしくおねがいします
・ねこはいます
「なんか収容しなくちゃいけない怪異が湧いてませんか?
昔、色町を描く時に女性を描くのを禁止されたことがあったようですね。
その時に全てのキャラクターを猫に置き換えて描いた……なんていう話もあるそうですよ」
・昔から猫は強かったわけだ
・猫って妖怪も多いよね
「日本人は何でもこだわって突き詰めてしまう性格というのは、世界的に見ても正しい性質と言われているようです。
性癖という文化も突き詰めてしまった結果がこの有様と言ったところでしょう」
・有様w
・こだわる体質が仇に
「仇と悲観することはないかと思いますよ。
どのジャンルであれ、先頭を駆け抜けていくことは強味となりますからね」
・それはそう
・二番じゃダメなんなよなぁ
「そういえばこんな話を思い出した。
日本では有機物から無機物、過去の偉人に至るまで様々なものが女体化されていますよね」
・本当に狂ってるよな
・女の子になっていない物って無いんじゃないか?
「それで外国の偉人も女体化させてるわけですが、それに怒ったその国の人が、日本の偉人……例えば織田信長も女体化させてやろうか?
みたいに言ってきたそうです」
・え……
・あ、あの……
「皆さんお気づきだと思いますが、織田信長なんて正に女体化偉人の代表ですよ。
それらを大体やり尽くしているので、何の脅しにもならなかったというお話です」
・日本人怖すぎる
・拘りが性だけじゃないのが最も恐ろしいところなんだけどな
「そうなんですよね。
これで日本人は変態だと言う人もいいますが、日本人ってあらゆるジャンルで突き詰めてしまいますから。
その一面もあるけれど、それだけではないと言うのが正解ですかね」
・悪いところだけ取り上げられてもな
・良いところもたくさんあるよ
「そう考えると、紫式部も源氏物語で沢山の性癖を詰め込んだ部分はありますが、それだけでなく、文学作品としても面白いからこそ今でも愛されているのでしょうね」
・そうでなければ千年も愛されないか
・これも見えてる一面の問題だな
「何だかいい話になった気がするので今日はこれで終わりましょうか。
えーっと、最後の挨拶は神職っぽいものをルーレット方式で決める形にしましたのでよろしくお願いします。
それでは、ポチッとな」
・なんか新しいのが始まった
・神職っぽい挨拶ってなんや
「あ、出ました出ました!
『お休みの間、悪魔に肉体を乗っ取られぬようにお気をつけて』
それではまた次にお会いしましょう!」
・悪魔側のセリフじゃねぇか!
・あの世界では神も悪魔だけどさぁ!!




