#巫女さんと考える紫式部 2
「こうして考えると、紫式部って最近流行りの小説のキャラを地でいってる人だと思うんですよね」
・どういうこと?
・そうだな
「例えばですけど、主人公は天皇と愛人の子供で、超絶イケメン。
年収は今の価値に換算すると数億円というキャラクターなわけですよ。
これってものすごく現代の価値観に近いと思いません?」
・確かに
・現代の盛りすぎ設定感がある
「そして先ほど話していた後妻の継母なんかは、主人公と歳が5歳しか離れていない姉のような存在で、天皇の奥様。
そして主人公の実母にそっくりという設定が盛り込まれているわけです」
・ほんまに現代っぽいな
・なんか分かる気がしてきた
「このヒロインに手を出して孕ませるわけですよね。
更にこれは有名な話ですが、引き取って育てた女の子を育てて嫁にするという展開になるのですよ」
・これは聞いたことがあるな
・よく主人公の名前が使われる現象だよね
「幼い娘を自分の好みに育て上げたうえで嫁にするという現象ですね。
これも前例がないために……面倒なので言っちゃいますが、光源氏計画なんて呼ばれています」
・聞く聞く
・先駆けが多すぎひん
「ちなみにこの育て上げられた女の子は、先程の継母にそっくりだったそうです。
そう……つまり主人公の光源氏は重度のマザコンであった。
そういう言い方もできますね」
・何というか……罪深いな
・性癖多いね
「この幼い娘に一目惚れして、最終的には誘拐してきた流れからロリコンというイメージもついていますが、これはあくまで母親の面影を追った結果なので、純正のロリコンとは言えないでしょう。
ロリが好きなんじゃない。
好きになった女がロリだったというやつですね」
・何というか……やっぱり罪深いな
・言いたいことは分かるけど、言い訳にはならないな
「こういう現代だからこそ伝わりやすい解釈から紫式部を未来人ではとする説はそれなりにあるようです。
まるで現代小説のようなコメディシーンもありますからね」
・コメディもいけるの?
・何でも出来るな
「例として紹介すると、主人公の光源氏が澄み渡る大海を前に、自分の心のようだと語るシーンがあるのです。
しかし、この直後に大雨が降って海はどろどろに濁るという、まさに現代でありそうなギャグシーンですね」
・確かに見たことがある
・本当に未来人な気がしてきた
「今から1000年も前にこの解釈を行なっているわけですからね。
未来人でなければ突然変異の化け物ですよ……その化け物の名前は性癖と言うんですけどね」
・草
・性癖の化け物




