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#巫女さんと考える紫式部 1

「皆さんに神のご加護があらんことを。

神使巫女です……初期の挨拶ってこんなんでしたっけ?」


・確かそうだったような?

・最近の挨拶は普通だったからなぁ


「久しぶりにやってみましたが、ここまでしっくり来ないとは思いませんでしたね。

当時の私は無理をしていたのかもしれません」


・あれだけ己を曝け出していたのに?

・今と昔で大して変わっていないんだが


「失敬な!

成長はしてるでしょう。

当時よりはラインを弁えているつもりですよ」


・それは間違いない

・何やかんやで裏ではしっかりしてるからな


「まぁ、それはそれとして本日の話のテーマなんですが……前にNTR、つまりは寝取られ談義みたいな話をしたじゃないですか」


・ユウちゃんのところの話だっけ?

・なんか熱く語ってたな


「その後にふと思ったんですよ……NTRっていうジャンルが最初に登場したのはいつなんだろうって」


・いつ頃なんだろうか?

・最近聞くようになった気はする


「私も聞くのは最近になってきてからだとは思っていましたが、こういうジャンルとして確立する前に描いていた作品は必ずあると思ったんですよ」


・そりゃ、ありそうだよな

・多分あるよね


「それがどこまで遡るのか……そんなことを考えていた時に目に付いたんですよね。

今年の大河ドラマが」


・今年の大河ドラマって……あっ

・まさにこれじゃねぇか


「そうなんですよ。

プレイボーイな主人公が様々な女達と関係を持ち、その中には当然人妻もいるという物語。

何の話かと言うと源氏物語ですね」


・今読んでも面白いドロドロした話

・現代でも通じるエロ要素


「主人公が無双しまくるのでNTRというよりは寝取り作品なんですけどね。

何なら自分の父親の後妻で、実の母親にそっくりな5歳年上の人妻に手を出しますからね……あの男」


・紫式部は設定盛りすぎちゃう?

・設定が渋滞してる


「まだまだこんなもんじゃないですよ。

この義母は結局主人公の子供を妊娠するのですが、そのまま夫には秘密にして、夫の子供として出産してしまうんですよね。

ロイヤル托卵なんて言われてますよ」


・それでええんか

・一応血は途切れないか


「そうですね。

元々主人公と父親が実の親子なので、後妻の奥さんと息子との間に産まれた子供なら血縁は続きます。

これが途切れてたら大変になるんですよね、天皇家ですから」


・いや、設定が大きすぎるやろ

・創作とはいえ、よくこんなスキャンダラスな話が許されたな!

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