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現代の選挙はややこしい

「何というか……醜いのう」


世間では三連休と浮かれている最終日……SNSを見ていたマオがぼそっと呟いた。


「何かあったの?」


「いや、つい最近に都の知事を決める選挙があったであろう」


「ああ、あったね。

選挙前から問題が起きまくってたし、選挙中も大変だったみたいだけど」


今回の選挙では始まる前から、禁止されているはずの活動をしていた候補者がいたり、支持者が暴走して傷害事件を起こしたり、街中に候補者をイメージしたシールをペタペタと貼り付けたりと、いつも以上に様々な問題が起こっていた。


また、候補者同士の醜い足の引っ張り合いや、大手会社の介入疑い、更にはふざけに来たとしか思えない候補者たちの乱立など、色んな意味で注目された選挙と言えるであろう。


「今回は特に色々と酷さが目立ってはおったのう……しかし、選挙はある意味ではパフォーマンスである故に理解を示せぬわけではないのじゃ」


「マオは元々はそっちをやる側の立場だったわけだしね」


「魔族はあんなややこしい事はせぬがな。

力が全てで叩き潰すのみじゃった」


「そっちの方が分かりやすくて僕は好きだけどな」


「やりやすいのは間違いないであろうな。

しかし、暴力で敷いた治世に如何程の価値があるのかと今も思うことがあるのじゃがな」


マオが治めていた魔界では力が全てであり、魔王とはその力の頂点を示す称号でもあった。


当然、魔王となれば何でも好き放題に出来るため、マオはその力を用いて治世を施したという過去があった。


「まぁ、ルーナから聞く限りでは、向こうは割と上手くやってるみたいだし、気にしなくていいんじゃない?

これでマオがいなくなった途端に、昔の暴力が全てみたいな世紀末魔界になってたら、やってきたことが無駄だったって話になると思うけど」


「まぁ、確かに気にしすぎても仕方ないのう」


「そうそう、もうこっちに来てから直接干渉することも無いんだから気にしない気にしない。

……おっと、話の腰を折っちゃったけど、さっきは何に憤慨してたの?」


ここまで話したところで、一番最初の話から逸れていたことに気付いたユウは改めてマオに問いかける。


「なに、選挙で負けたもの達の悪あがきがあまりに醜くてのう。

正直、黙っていた方がはるかに印象が良かったであろうと思っていたところよ」


そう言いながら、先ほどまで見ていた解説動画をユウにも見えるように調整しながら再生するマオであった。

配信では政治の話はしませんでしたが、終わった後の動き方が酷かったので、それは話します。

あくまで架空世界の話ですが。

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