#ユウの雑談 4(乱入者、帰る)
「リメイク作品時代のTSはベースが男でそこから変わることはありません。
なので、恋愛対象も女性で、男キャラは友人やライバル枠になる事が殆どですね」
「基本は男だし、男にも戻れちゃうわけだもんね。
それじゃTS要素ってどこら辺に入ってくるの?」
・言われてみると男が主人公と変わらんのか
・あんまりTS関係ないね
「この場合は話のアクセントですかね。
男から女に変わる事で状況をガラッと変える事が出来る……例えば、女性向けの競技に出演するとか、女性に弱い相手への突破口にするとか」
「あくまで話の状況を変えるための舞台装置の一つって感じかな?」
・そこがメインではないと
・作者が使い分けしやすいって感じなのかな?
「一方で現代創作に於けるTSはそこが主軸に置かれる事が多いですね。
元に戻れないわけですから、男性から女性になった事への戸惑いや気持ちの変化などが起きるわけです。
先の例で言うと、恋愛対象が最初は女性だったのが男性に変わっていき、友人関係は女性というパターンが多いですね」
「男性の価値観から女性の価値観に変わっていく感じかな」
・気持ちの変化を楽しむとか?
・そう言う変化を見るのって楽しいよね
「この気持ちの変化がメインですからね。
女性として生活して、女友達に囲まれて、男だった記憶が薄れていく。
更には女性特有の月のものが来たりという現実に直面する訳です」
「あ〜確かに昔の作品だとそういうのってあまり無いよね。
特に月のものとかの表現なんて全然見たことないや」
・確かに無いな
・こう言われるとジャンルが全くの別物では?
「こう言った事情から、自分が女性であるということを受け入れる転換期というのが大抵の場合は存在します。
どのタイミングでそこを挟むのかは作者によって変わりますが、以降は元男ではなく女性として扱われる事になるわけです」
「そういう気持ちの変化を楽しんでいく話って感じだよね。
女性を受け入れた後も、男時代と比べる描写があると面白いって思っちゃうかも」
・それはあるかな
・違いや変化を楽しむ作品ってことやね
「こうして比べてみると一目瞭然だと思いますが、昔のTS物はベースは少年漫画なんですよ。
それに対して現代のTS物は心境の変化の違いなどからベースが少女漫画と言って良いかもしれませんね。
ファンタジー物ですと、王道の少年漫画路線に、少女漫画の心情をアクセントにしたり、成年向けアダルト要素を入れたりというブレンド作品が多いですかね」
「うーん、ここまで違うとこの二つを同じTSのジャンルとして同一視すること自体が間違いな気がしてきたよ」
・完全に別物
・全然違うよね
「そう、正に私が言いたかったことはそれなんですよ!
にも関わらず、リメイク作品の決定から、むかしのTSの方が良かったと同一視する意見が偶に見られるのが悲しかったわけです」
「何にも知らないと同一視しちゃうのも仕方ないと思うけどね。
でも、今回のことで見方が変わったって人もいるんじゃないかな?」
・変わった
・漫画論みたいな講義として面白かった
「分かってもらえると嬉しいですね。
それでは満足したので私はここで落ちることにします」
「あ、本当にこれだけの用事だったんだ。
まぁ、雑談枠だから全然いいんだけど。
巫女さん、またね〜」
「はい、またコラボしましょう。
皆様もお騒がせしました」
・楽しかったからOKです
・巫女さん、また遊びに来てね〜




