ライブハウスへ行こう 1
「おまたせっス」
「お待たせしました」
そう言ってユウとマオの前に現れたのは、ナコと八起子であった。
八起子の方はいつもよりも清楚なお嬢様といった服装なのだが、ナコの方は驚くことに耳にピアスを複数付けており、更に上着は黒いシャツに大きな髑髏と、その下にクロスした骨のデザイン。
そして下は革ジャンと、あちこちにシルバーが目立つパンクなファッションであった。
更に背中には硬いケースに入ったギターを背負っていた。
「おおう……中々イカしたファッションじゃな」
「似合ってるかいいと思うよ」
ナコは所謂クール系、ダウナー系と呼ばれる女子なので、このパンクなファッションを着こなしいた。
一方で天然系ゆるふわ女子に見えるお嬢様ファッションの八起子。
2人が並ぶと典型的なワルとお嬢様に見え、更に2人の距離はかなり近いことから、周りの目を引いていた。
「ふふ〜ん」
「この格好、自分的には厳ついと思うんスけど……ナコが上機嫌になるんスよね」
「だって似合ってるんだもん。
お二人もそう思いますよね?」
「うむ、よく似合っておるぞ」
「何なら2人並んでても絵になるしね。
オタクのカップリング心がくすぐられる組み合わせだよ」
不良とお嬢様、もしくは委員長の組み合わせで、力関係はお嬢様系の方が上というカップリングが嫌いなオタクなどいないであろう。
たとえオタクでなくても、全く正反対の2人という組み合わせは好みという人が多いと思われる。
そういった理由から、2人が並んで歩いていると人目を引くのも仕方ないことであろう。
「しかし、お二人も物好きっスね。
実際にライブハウスに行ってみたいなんて」
「やはり何事も経験じゃからな。
それより、妾は本当に元の姿に戻らなくて良いのか?」
今日のマオはいつもの子供の姿である。
ライブハウスに行くという話になったとき、大人の姿の方が良いか聞いたのだが、ナコは子供のままで問題ないと答えたのであった。
「日曜の昼間からやってるライブなんで、遅くならなければ誰でもOKっスよ。
子連れの親子とか、学生とかもいるっスからね」
「そんなもんなんだ。
なんかイメージ的には学生とかが立ち入っちゃいけない場所ってイメージだけど」
「校則で言及されてるところはあるかもしれないですね。
でも、やってるイベント次第だと思いますよ」
「そんなもんなんじゃな」
ナコと八起子は久しぶりの登場なので、キャラクターイメージを一新しています。
ウマの娘がわかる人はシャカファイ風味でイメージしてみてください。




