#ナコのライブハウス解説 4
「そう言えばアニメ観てたら本名でもなさそうなPAさんっていたけど、あれってどういう人?」
「PAは……あれは元々は何の言葉の略なんですかね?
みんなPAって呼んでたから考えた事もなかったっス。
PAは音響周り一式を担当する役割の人間っスね。
正しくライブハウスの要っス」
・正式名称わからんのかい!
・そういうもんなんだ
「あ〜音が命のライブハウスでは大事な役割だね。
と言っても音響ってパッと想像が付かないかな」
「基本的に楽器は機材に通してスピーカーから音を排出する作りなんスよね。
楽器から奏でられて、スピーカーから出るまでの間の音の調整って言ったら分かるっスかね?」
・ケーブルの間に変換するみたいな?
・カラオケでマイクの音量調節するみたいな感じ?
「リスナーのコメントが分かりやすいっスね。
正にカラオケのそんな感じっス。
本当に単純な作りで言うと、高音の音量、低音の音量、エコーの調整。
それを各楽器とボーカルで調整してバランスを取るのが仕事っスよ」
「え……めちゃくちゃ大変じゃない?」
・パーティのリーダーみたいじゃん
・死ぬほど大事では?
「まぁ、その為に前もってリハーサルをやるわけなんスけどね。
ただ、ガラガラのホールと満席のホールじゃ音の通り方も変わってくるっスし、湿度も影響するっスから極めようと思うと途方もない道ではあるっス」
「何か聞いてるだけで頭が痛くなるね」
・めっちゃ大変そう
・本当に頭が痛くなりそう
「ああ、それと返しの調整も別に行わないといけないっスね」
「返し?」
「ステージに上がっているアーティスト側に向けたスピーカーの事っスよ。
ステージ前の床にアーティスト側に向けて斜め上に置いてあるスピーカーがあるんスよ」
「言われてみればあったような……あれって飾りじゃないんだ」
・飾りじゃないんだ
・あれで自分の音を確かめてるのか
「そうっスよ。
当然ながは向きや位置が違うから、ホール側と違う調整になるっスね」
「うへぇ……考えただけで複雑すぎる」
「そういう人達の力を借りてライブは成り立ってるんスからね。
というか、先輩も一回くじよじの大規模ライブに出てたじゃないっスか。
あれも返しとかあったっスよ」
「……ごめん、ライブは昔過ぎて記憶に無いかな。
あっても、ダンス覚えて歌を歌うのに必死だったから、そこまで意識してないかも」
・そう言えばやってたな
・ステージ経験あるじゃん!
PAはpublic addressの略だそうです。
基本、そんな事は知らずにPAで覚えている人が大半だと思います。
この辺りはドリンクチケットが付くのが飲食店で営業許可を取ってるからと変わらないぐらいには形骸化してるかと思います。




