ガールズバンドと謎ジャンプ
「今更ながらこのアニメにハマってしまった訳だけど」
ユウがそう言いながらマオに見せたのは、ピンク髪の超陰キャな女の子を中心にしたガールズバンドのアニメであった。
「本当に今更じゃが……何のきっかけじゃ?」
「いや、最近アニメを再編集した劇場版が公開されたんだよね」
「一人で観に行ったのかえ?」
「いや、なんか劇場版公開してるなら観てみるかな〜ってサブスクで」
「まぁ、人気もあったから大概どこのサブスクでも放送されておるからのう」
マオのいう通りに、一時期社会現象レベルで流行った本作。
アニメを見ていなくても、曲のフレーズを聞いたことがある。
または、ライブシーンの切り抜きだけ見たことがあるという人も少なくないのではないだろうか?
「元々は4コマ漫画を扱っている雑誌に載っているイメージなんだけどね」
「ああ、ゆるくキャンプを行う漫画も同じ雑誌で連載されているんじゃったな」
「そうそう。
単行本の売り上げ的にはキャンプ漫画が一番売れてるらしいけどね」
「まぁ、あのゆるーい内容でアニメを三期もやっておる化け物コンテンツじゃからな。
そういえばこの雑誌系列のアニメはオープニングやエンディングで、主要キャラがジャンプするとか言われておった気がするのう」
「ああ、このガールズバンドのアニメでもメタ発言でそんなこと言ってたね。
オープニングジャンプするアニメは神アニメって」
昔は謎ジャンプと言われていた、主要キャラが横一列に並んでオープニングでジャンプする演出だが、古のネット発言から、き○らジャンプと呼ばれるようになり、その後は雑誌と関係ない作品であっても、横並びジャンプはその名称が用いられるようになったのである。
「それでそのガールズバンドのアニメがどうしたのじゃ?」
「いや〜ライブハウスとか結構気になってきちゃって。
そういうのに詳しい知り合いが誰かいたと思うんだけど、誰だったっけなぁって。
誰かいたと思うんだよ」
「それならばナコであろう。
かつてはそういう業界で仕事しておったから、PAの仕事なんかも出来たはずじゃぞ」
「ああ、そうだそうだ!
というか、音楽だったらまずそこじゃん!!
「まぁ、最近は絡みが少なかったからのう。
向こうも八起子と二人で音楽活動に精力的に取り組んでおったからのう」
「いつのまにかシングル複数にアルバムまで出してたからね。
でも、そっかそっか……久しぶりに連絡してみるかな」
「一度途切れると中々繋がりにくいからのう。
やる気がある時に動くと良いわな」
「そうだよね!
ちょっと連絡とってみる」




