コラボカフェ企画 4
「それじゃ、なにを頼みますか?」
タブレットを手にした響子が尋ねる。
「やはり先ずはドリンクからじゃな。
妾はセシムの物にするかのう」
「僕は巫女さんの頼んでみようかな」
「私はせっかくなので、ユウマオの二人分頼んでみたいです!」
という事で、今回のコラボ先である4人分を頼む事にした3人。
しばらくすると店員がドリンクをお盆に乗せて現れる。
テーブルの上に置いて行く時に軽く会釈をしたのだが、店員も特に気にした様子もなくドリンクの説明と、コラボメニュー特典のランダムステッカーを置いていった。
こちらのコラボカフェでは、頼んだメニュー1つにつき、一種類のステッカーが付いてくるらしい。
だが、そこは問題ではなく……
「やっぱりプロテクトがかかってるのかな?
店員さんが気付いた様子は無いね」
「大丈夫だとは思うておったが、これで少しは安心して楽しめるのう」
実を言うと、ユウマオの二人とセシムは、メニューの試作のために何度かこの場所を訪れていたのだ。
その時に働く店員さんとも顔合わせをしており、ドリンクを運んできた店員にも見覚えがあったのである。
だが、店員は二人に対して全く初見のような反応をして気付いた様子がない。
流石に神々の施したプロテクトというのは、とても強力な物であるらしい。
「あ、僕たちはこれ大丈夫だから。
響子さんが持っていっていいからね」
「え、いいんですか?」
「うむうむ、妾達はコラボの料理が楽しめればそれで良いからのう」
こうして3人はそれぞれのコラボメニューを堪能し、気づけばランダムステッカーの数も二桁を超える数になっていた。
それぞれのキャラのステッカーと、全員集合の5種類なので、流石に揃っている事であろう。
「あ、今日は付き合ってもらったから私が全部出しますよ」
「え、そんな悪い……」
「ふむ、そういう事ならばありがたく好意に甘えるとしようかのう」
ユウの言葉を遮って響子の提案に了承するマオ。
ユウは一瞬、非難の目をマオに向けたのだが、会計を任せている間にグッズコーナーに向かった事でその意図を察したのであった。
「お二人とも、お待たせしました」
「ごちそうさま。
それじゃ、これは今日のお礼ね」
「妾からもじゃ」
二人が差し出したのはグッズコーナーの中でも高価な部類になるタペストリーであった。
「そんな‥….いいんですか?」
「お礼の気持ちだから遠慮なく受け取ってほしいな」
「妾達もお主の好意を素直に受け取ったのじゃ。
片方だけでは不公平であろう」
「はい!ありがとうございます」
こうしてタペストリーを受け取った響子。
それはそれとして、まだ他にグッズを漁りたいらしく、その買い物に付き合ってから帰宅する3人であった。




