コラボカフェ企画 1
『コラボカフェ?』
くじよじの社長である里中から告げられた話に、ユウマオの声が見事にハモる。
「そうよ。
まだ企画段階だけど、これが資料ね」
仕事の話があるという事で本社に呼び出された2人は、里中から渡されたプリントを受け取る。
そこにはカラオケの中でも高級と言われるグループと共同で行われる旨が記されていた。
「このカラオケグループって幾つかのフロアを確保してるよね。
カラオケ以外にパーティーフロアがあったり、ダーツとかビリヤードが出来るプールバーのフロアがあったりとか」
「そうそう、知っているなら話が早いわ。
秋葉原でやっている店舗にはコラボカフェ専門のフロアがあるの。
そこを2週間限定で借りてという形ね」
資料にも書いてあるのだが、その店舗の2階はコラボカフェ専門フロアとなっている。
複数あるコラボカフェの一角を今回使わせてもらうという話になっているようだ。
「この企画書では妾達2人の話しか出ておらぬが、もちろん妾達だけではないのであろう?」
「全部で4人ぐらいに考えているわ。
ただ、メインは貴女達2人……話を受けるならこれは確定事項だと思って頂戴」
現在のくじよじメンバーの中でも、熱心に配信を行っているユウマオはチャンネル登録者数のトップを走り続けている。
そんな稼ぎ頭の2人をメインに据える事は、会社として何一つおかしな事は無い話であった。
「これって具体的に僕たちは何をすればいいのかな?」
「カフェで販売するグッズに関してはこちらで手配する予定よ。
貴女達にはドリンクとフードのアイデアを出して欲しいわね」
「なるほど……とりあえずは家に持ち帰って考えてみることにするかのう」
そう言ってマオは資料を畳み、カバンの中にしまい込む。
「あ、僕のもお願い」
「内容は同じであろうから一枚でも良い気がするがのう」
ユウの資料も渡されたのでそちらもカバンにしまう。
察している通りに中身は全く同じ資料である。
「とりあえず考えたものは片っ端からこっちに送ってくれていいわよ。
予算やら材料やらの選定はこちらで行うから。
こういうのはアイデア勝負よ!」
「ふむ、ならば下手な鉄砲もなんとやら。
片っ端から色んな案を出していくとするかのう」
「楽しみに待っててよね!」
こうして2人は家へと戻り、コラボカフェのメニューをあれこれと試案するのであった。




