大怪獣の感想会
2時間強の映画を観終わった2人はドリンクのゴミを捨て、ロッカーから荷物を取って映画館を後にした。
手近なファミレスに入った後はドリンクやデザートなどを注文し、ようやく一息ついたところで映画の感想会を始めたのである。
「いや〜本当に面白かったね!
こういうので良いんだよの極みだったよ」
「うむ……人間パートを極力絞り、怪獣パートとバトルに振り切っていたところに非常に好感が持てたわい」
「今回は吹き替えで見たからどうかと思ったけど、殆どセリフ無かったから気にならなかったね」
「驚くほどに会話パートが無かったのう。
地下世界で出てきた種族も、会話を必要としなかったから本当に喋ってるのがメインの子供を除いた3人だけなんじゃよな」
今回の映画では怪獣‥‥特に猿の方が話の中心になっており、彼がメインで動いている時は当然ながら会話が無かったのである。
更にメインキャラである人間4人のうち、1人は全く喋らないキャラだったため、残りの3人のセリフだけが流れている状態であった。
しかし、その時間も驚くほど少なく、猿側と怪獣側では当然喋る事は出来ないのでセリフが無いのである。
「それにしても怪獣達のコミニュケーションがコミカルで面白かったね」
「セリフは無いのに、何を話しているかは分かってしまったからのう」
「表情と身振り手振りが秀逸過ぎるよね。
吹き出しでセリフが見えたもん」
「そんなバカな……と言いたいところではあるが、確かに見えたのう」
怪獣達は当然ながら喋らず、昔の怪獣映画のようにナレーションも無い。
それでも彼らのコミュニケーションは非常に雄弁に物事を語っており、見ている人たちがそれが何を意味しているか理解するのは決して困難なことで無かった筈である。
「個人的に良かったのは怪獣バトル……というか、プロレスに振り切ってくれたことかな?
後半の変則タッグマッチは痺れたね」
「エジプトでのブレーンバスターも見応えがあったのう。
そして、全体的に全ての怪獣にコミカルさがあって良かったのじゃ」
「コロッセオを寝床にする怪獣。
小猿と心を通わせていく大猿。
喧嘩を仲裁する女神。
つぶらな瞳で空を見上げる新怪獣。
全部良かったよね」
「うむうむ。
今作は知能は全て置き去って脳筋極振りじゃったが、そこが本当に良かったのじゃ。
今までで一番好きかもしれぬのう」
「実は僕も今まで一番好きにだったよ」
映画の興奮冷めやらぬ中、2人の感想会はまだまだ続きそうである。
ゴジラ×コング、最高に面白かったです。
ネタにされていた二匹のガンダッシュシーンも最高に熱い場面でした。
昭和の怪獣映画好きこそハマるのでは無いでしょうか?




