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エジプトでブレーンバスター 1

「響子さんは来れなくて残念だったね」


「偶にはそんな日もあるから仕方ないのう。

今日は二人で見にいくとするのじゃ」


そんな会話をしながら二人がやってきたのは、いつも訪れているお台場の映画館であった。


本日は先週公開されたばかりのとある映画を見にきたのである。


「すいませーん、この怪獣が出て来る映画のチケットが欲しいんですけど」


ふと、受付のところを見ると、二人組の男の子がチケットの購入をしているところであった。


ユウマオは予約していたのですぐに発券して終わりなので、受付カウンターでのやり取りは珍しく思えたらしい。


「ああ……ええっと、この作品って今は二種類あるんですが、猿が出て来る方と出てこない方のどちらですかね?」


「あ、猿が出て来る方で」


「では、時間帯がこちらで……席が……」


そんな聞こえてきた会話に二人は思わず顔を見合わせた。


「そういえば、今は日本版とアメリカ版の2種類やってるんだっけ」


「ゴールデンウィークでこの映画が並ぶというのも面白いのう」


「日米で並んでるの面白すぎるよね……まぁ、僕たちもお猿が出ている方を見にいくわけだけど」


そう、二人が見に来た映画というのは、前作では二大怪獣がVSとして激突した作品であった。


今作ではこの2頭がまさかの共闘で新たな敵に立ち向かうという内容だったので、シリーズを全て見てきた二人としては見逃せなかったわけだ。


「今回が4作目だっけ?」


「猿、怪獣、猿VS怪獣と来てからの4作目じゃったな」


「このシリーズって、人間ドラマは勿論あるけど、ちゃんと怪獣バトルがしっかりしてるから好きなんだよね」


「言いたいことは分かるのう。

妾達はど迫力な怪獣バトルを見に来ておるわけじゃからな」


映画館の大画面をフルに使ったど迫力なバトルこそが、怪獣映画の魅力であろう。


時にはその方向性を忘れて人間ドラマに力を入れて大コケした作品もあるが、こちらのシリーズはその方面でもしっかり魅せてくれるという事で2人はこの映画をかなり楽しみにしていたのである。


そして、いつも通りに4DXの座席を確保し、ドリンクを注文した2人は、そのままロッカールームへと向かって荷物を預け、準備万端とばかりに上映される予定のシアタールームへと向かっていったのである。


映画を観た人はタイトルの意味がわかります。

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