夢の国is混雑 5
ショーが終わった3人は一旦小休憩を取るために、海賊のアトラクション近くまでやってきていた。
「ここにキャラクターの形をしたマカロンが売ってるんだよね」
「せっかくじゃから3人分頼むとするかの」
「写真見て可愛いって思ってたんですよね」
という事で3人はチョコマカロンを頼み、そのついでにユウと響子はウーロン茶を。
マオはホットコーヒーを頼んだのであった。
「初めて見たショーだったけど良かったね」
「ノリの良いクラブ感が出ておったのう」
「私はキャラクター達が近くまで来てくれたのが良かったです」
響子の話通りに、ショーの終盤にキャラクターとキャスト達が一斉にステージを降り、客席の通路でパフォーマンスをし始めたのである。
手を伸ばせば触れ合えるような距離で、ショーを堪能できた3人はとても満足していたのであった。
「次はどうしよっか」
「優先パスにはまだ時間があるのう。
この後はそこの海賊にでも乗って時間を潰して、優先パスを消費してからはなるべく待たないアトラクションを消化で良いのではないか?」
「待たないアトラクションっていうと、マウンテン系以外って事ですかね?」
「今、鉱山のやつはやってないから二つ……特に宇宙に集中してるから、ここは捨てかな」
「美女のアトラクションも無理じゃな。
やはりジャングルを船で回ったり、シアターオーケストラが良いのではないか?」
「なんか名前だけなら人が多そうですけど、そのオーケストラは少ないんですかね?」
「このアトラクションは回転率が良いからね。
優先パスのライトホラーマンションの近くだし、その辺りを彷徨いてみようか」
シアターオーケストラでは20分弱の、3Dメガネで飛び出す映像と360度から聞こえてくる名曲が聴けるアトラクションである。
20分毎に600人程度の客を迎える事ができるので、かなり回転率が良く、知る人ぞ知る、待ち時間が伸びにくいアトラクションであった。
こうして3人は混雑していたこともあり、大きなアトラクションを敢えて外すことによって残りの時間もストレスなく回る事ができたのであった。
帰りのお土産さんも混雑はしていたものの、レジ複数台で対応していた事もあって時間が取られる事は無い。
知り合い用のお土産と、事務所用にバタークリームを挟んだサンドクッキーを購入して帰路に着いたのである。
混雑時には混雑時の立ち回りがある。
そのことを二人から教わった響子であった。




