夢の国is混雑 2
「あ〜ごめん、抽選外れちゃった」
「流石に3人いっぺんには難しいであろうからな。
ユウのせいでは無いわ」
「人数が多い方が外れやすいんですか?」
「そりゃ、座敷にも隙間みたいなのがあるからね。
いっぺんに取る人数が多ければ抽選から外れやすくなるし、逆に少ない方が当たりやすくなるよ」
「この辺りはアトラクションのシングルが分かりやすいかのう。
座席が一つ余った時に優先的にお一人様が案内される制度じゃな」
「へぇ〜でも、流石に一人では来るのは……私は遠慮したいですね」
「年間パスを持っているガチファンならって感じだね」
ユウ達の話通りにいっぺんに抽選を受けるというのは、横並びに座席を確保するという事である。
その為、人数が多ければ多いほどに抽選から漏れやすくなるというリスクが出てくるのである。
「あ、でも、試しにもう一個のステージショーを予約したら取れちゃったよ」
「おお、でかしたのじゃ!
……これはどこのショーじゃ?」
「多分そこかな。
いつも何かやってるなって思いながら通り過ぎてたところだね」
ユウが指差した場所は宇宙エリアの一画にある野外ステージであった。
「これはお二人も観たことが無いんですか?」
「島の方ではショーの抽選は取ってこなかったからね」
「そうなんですね。
でも、お二人も初めてのショーを一緒に観れるなら嬉しいですよ」
「妾達も初めてを共有出来るのは嬉しいものじゃな。
さて、つぎのこうどうはどうするかの?」
「とりあえずアトラクションの優先パスも取れそうなのは取っとくとして……とりあえずは腹ごしらえかな?」
「おお、折角じゃからモバイルオーダーというのを使ってみるのはどうじゃ?」
「実はさっき試してみたんだけど……今日の混雑だとモバイルオーダーの時間もかなり埋まっちゃってるんだよね。
空いてる時間が微妙」
ユウが示した画面にはモバイルオーダーの受付時刻が表示されていたのだが、その殆どは受付終了となっていた。
辛うじて空いていた時間は今から3時間後である。
「大人しく店に行って並べということじゃな」
「いや〜ここから見ても明らかに多いんだけど」
「どの時間でも大して変わらぬであろう。
覚悟を決めて並ぶしか無いのう」
「私はお二人とならいつまでても並んでいられる気がしますので大丈夫です」
「……まぁ、それしか無いから仕方ないか。
よーし、覚悟してあの行列に並ぶぞ!」
『お〜!!』
こうして気合いを入れ直した3人はハッシュドビーフとビビンバが名物のレストランに並び始めたのであった。




