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混沌都市 池袋

「巫女さんも前はこれやってたんだよね?」


ユウがそう言って巫女に見せた画面には、現在世界で最も遊ばれていると言われるMMORPGにして、人気RPGシリーズの14作品目のタイトルが映し出されていた。


「ええ、そうですね。

最近はイベントも特に無いので6.1ぐらいから全く手をつけていませんが」


「実はこのゲームをイメージしたプラネタリウムのプログラムがあるんだけど一緒に行かない?」


「ええ、勿論構いませんよ」


ユウの誘いによって準備を終えた巫女が玄関で合流した時にふと気付く。


「あら、マオちゃんは来ないんですか?」


「もともとペアシートで予約してたんだけど、マオがコラボ配信が決まって行けなくなっちゃったんだよね」


「あら、それで私に声がかかったんですね?」


「代わりは嫌だったかな?」


「いいえ、ただマオちゃんの代わりが果たせるか不安になっただけですよ」


「ハハハ、嘘ばっかり。

巫女さんは誰かの代わりなんてしようと思わないでしょ。

いつでも自分を曲げずに貫く人だって分かってるからね」


「あらら、バレてましたか。

では、代わりはしませんのでしっかりエスコートしてもらえますか?」


「もちろん、お任せあれ」


こうして2人は電車に乗って池袋までやってきてプラネタリウムのある場所まで向かう。


「やっと着きましたね……池袋の人の多さを舐めてましたよ」


「いや〜今日は特に多かったと思うよ」


「それにしてもここにくる途中の通りは、池袋のオシャレさもあるのですが、まるで秋葉原のような感じもありましたね。

ゲームセンター多いですし、メイドや女装した人がコンカフェの客引きしてましたし」


「まぁ、池袋は第二の秋葉原になりつつあるよね。

この近くには乙女ロードなんていう女性オタク向けの場所もあるくらいだし」


「他にもお笑いのライブ勧誘とか、猫だけじゃなくてフクロウとか豚を取り扱ってるカフェとか」


「そう考えると秋葉原よりも遥かに混沌としてるよね、ここ」


「福岡にも親富孝通りという場所があってですね、昔は親不孝とも言われるくらいに治安の悪い場所だったんですよ。

でも、いつしかオタク文化が入ってきて、オタク用の建物とライブハウスにバー、ホストクラブやらが乱雑するカオスな地域になってしまいましたね」


「まぁ、相入れそうに無いものが合わさって一つの形になっていると思うと面白いんじゃ無いかな。

さて、予約してるからすんなり入れると思うから行こうか」


「準備万全でありがたいですね」


こうしてユウはスマホに映したQRコードを読み込ませ、巫女を連れて中に入っていくのであった。


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