配信事故風配信
「そんなわけでついさっき福岡の料理を食べて来たんだけど、それが美味しくって……」
「ユウちゃん……って、ゲリラで配信してたんですね」
・だれぇ!?
・マオちゃんじゃ無いぞ!
・今のは巫女さんの声では?
「さっき食べたご飯が美味しかったから共有したくって……あ、ちょっとコメ欄がざわついてるから自己紹介を」
「ああ、そうですね。
今日はこちらに用事があったついでにユウマオ家に泊めてもらっています。
くじよじの神使巫女です」
・巫女さんだったのか
・やっぱりこの声は巫女さんだった
「実はさっきの食事会も巫女さんの歓迎会の意味合いがあったんだよね。
因みに配信中に入ってきてもらったのも計算通り」
「マオちゃんが呼んできてくれと言うのに配信してるから変だとは思ったんですよね。
意図的に配信事故みたいなのを作りたかったということですか?」
「まぁ、それもあるし、リスナーへのサプライズも込めてって感じかな?
あ、多分ここは配信事故とか、配信中に乱入とかの見出しと一緒に切り抜かれると思うよ」
・間違いないな
・切り抜き職人がアップしてそう
「それでここにこうして誘い込まれたと言うことはゲスト扱いという事でいいんですかね?」
「巫女さんの都合がよければだけど」
「もちろん付き合いますよ。
泊めてもらった上に歓迎会までしてもらった恩義がありますからね」
・ユウ巫女てぇてぇ
・本当、エロが絡まなきゃまともな人だよな
「それじゃ、福岡の食の話をしていたから色々と突っ込んで聞こうかな。
さっきは九州料理メインの居酒屋に行ってみたけど、味は巫女さん的にはどうだった?」
「聞きたいことは分かりますけど、期待通りの答えにはならないですかね。
普通に美味しかったですし、どちらが上という事もありませんね」
「あ、そうなんだ。
人によっては地元が一番っていう人もいるかと思ったんだけど」
「私がそう言うタイプじゃ無いことはよくご存知でしょう。
強いて言うならやはり値段はこちらの方が高いですが、物価全般高いのですから仕方ないでしょう」
・値段は仕方ないよな
・都内はそりゃ高いわ
「値段はそりゃ仕方ないよね。
でも、味が遜色ないってのは意外かも」
「伝さえあれば今の時代は新鮮な食材を仕入れるのも難しくないですからね。
それで腕があるなら味は変わらないでしょう?
水の質という話も聞きますが、水道水の質なんて日本ならそうそう変わりませんよ」
「確かにそれなら味が落ちるどうりもないって事か」




