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巫女さんがやってきた 2

「お待たせしました……って、あら?

マオちゃんはその姿で行くんですか?」


荷物の整理が終わった巫女がリビングに戻ると、そこにはユウと大人の姿になったマオがいたのであった。


「ああ、今から行く店は居酒屋じゃからな。

この姿の方が楽しめるというものよ」


「初日は慣れた食べ物の方がいいかと思ったから、九州系の居酒屋を予約しといたからね」


「それは何から何までお気遣いありがとうございます」


こうして3人は連れだって外へと出かけ、歩いて10分ほどで目的地へと辿り着いたのであった。


「やっぱりこういうところってその土地に詳しい人がいないと入りづらかったんだよね」


「巫女先輩には食べ物の解説をお願いしたいのう」


「まぁ、出来る範囲で良ければいいですよ」


早速店内へと入り席に案内された3人はメニューを開く。


「とりあえず生二杯……ユウはどうするかの?」


「ん〜せっかく巫女さんも来てることだし僕も貰おうかな。

すいませーん、生三杯お願いします!

あ、これ僕の身分証」


大人になったマオと巫女は問題ないのであるが、ユウは童顔であり、見た目的には中学と高校の狭間くらいである。


その為にこのような場面では年齢を確認されることが多いので、最早身分証の提示は癖のようになっていた。


「はい、わざわざありがとうございます。

こちらはお通しです」


大学生くらいの可愛らしいバイトさんは3人の前にお通しを置く。


その中には調理して味付けされたらしい根菜とむき海老が入っているのが分かる。


「お待たせしました。

こちら生三杯ですね」


更に間を置かずに店員さんが生を持ってきたことで3人は軽くジョッキをぶつけて乾杯をする。


「うむ……やはり居酒屋はこうでなくてはな」


「お通しともよく合ってて美味しいよ」


「お通しとの美味しいお店は期待ができますね」


こうして生とお通しを堪能しつつ、3人はテーブルに備え付けてあったタブレットをいじり始めた。


「まずは何が良いかのう?」


「お酒のおつまみになりそうな感じがいいかな?」


「それなら先ずは焼き鳥と刺身を入れましょう。

刺身はすぐに来るでしょうし、それをつついている間に焼き鳥も出来上がると思いますよ」


「なるほどのう……オススメはどれじゃ?」


「えーっと……あ、さがりがあるじゃないですか。

こちらを……とりあえず6本くらいいきましょうか」


慣れた様子でさがりを注文する巫女であったが、ユウとマオは顔を見合わせる。


「さがりって何?」


「えーっと、簡単に言うと牛肉ですね。

横隔膜の部分で、ハラミみたいにサシが少ない赤身肉なんですよ」


「牛肉……焼き鳥じゃよな?」


「まぁ、福岡の人間は串で焼いた物なら何でも焼き鳥ですから。

豚バラ肉だって串で焼けば焼き鳥ですし」


「そ、そうなんだ。

とりあえず最初は巫女さん任せようかな」


こうして2人はタブレットを巫女に預け、完全に選択権を任せることにしたのであった。


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