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恋愛作品の今昔物語 1

「ふあ〜あ……あ、響子さん来てたんだ」


「お邪魔してます。

ユウちゃんがこんな時間に起きてくるなんて珍しいですね」


時計の針が真上を向いた頃、ユウが欠伸をしながらリビングへとやってくると、そこには響子の姿があった。


「ちょっと最近見てるアニメが面白いの多くって。

……あれ、マオは?」


「茶を注ぎに行っておっただけじゃよ。

ユウは濃いコーヒーが良さそうじゃな」


「うん、何もつけなくてそのままちょうだい」


ユウの声に反応して、キッチンの方からマオの声が聞こえてくる。


そんなマオにオーダーを伝えてリビングの椅子に座るのであった。


「アニメって最近は何を見てるんですか?」


「最近は恋愛系が多いかな。

特にって感じるけど、両片思い系がかなり流行ってるよね」


「ああ、確かに流行っていますね。

最近では陰キャな男の子と芸能人の女の子が恋愛してるアニメの2期が流行ってるんでしたっけ」


「あれは本当に面白いよね。

漫画の時から好きだったし、一期終わった直後に二期が発表されたのが本当に嬉しかったもん」


「確かに最近ああいうの流行ってますよね。

少し前は隣に住んでる天使のように可愛い女の子に餌付けされるアニメとかもありましたよね


「ああ、あれも本当に良かった!

何だろうなぁ……あの、お前ら絶対付き合ってるだろっていう空気感で付き合ってないのがいいんだよね。

いい意味で見てる人をじれったくさせるっていうか」


「そうですね。

お前ら早く付き合えよって思いながらも、付き合うと話が一旦は完結してしまうのが怖かったりしちゃいますね」


「思うんじゃが……」


2人がキャッキャっと盛り上がっている中で、1人静かにお茶を啜っていたマオが口を開いた。


「それらの作品は全て男性向け漫画の恋愛作品であるよの。

最近では男でも恋愛ものが流行っておるのかのう?」


「言われてみれば確かに」


「そうですね。

そういえば小学生の時代からゲームセンターで恋愛を育んでいく作品なんてものもありましたよね」


「案外昔から男でも恋愛作品は好きだったが時代的に表には出せなかった。

それが多様性の時代になって出せるようになっただけかもしれぬのう」


「確かに。

そう考えると何だか微笑ましくなってくるかもね」


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