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江戸時代から続くルーツ 2

「火付盗賊の長官、鬼と呼ばれた男が寝泊まりしていた屋敷というものがあるのはみた事があると思うのじゃ。

それはこの千代田区の区役所辺りにあったとされているそうじゃな。

ここは江戸城で言うところの清水門に当たる場所じゃな」


「火付盗賊改方の面々が働いている場所でもあるんだよね。

大体ここから物語がスタートしているイメージかな」


「そういう事じゃな。

ここからさまざまな場所に見回りに行く訳じゃが、ここからは半蔵門方面へと向かうとしようかのう」


2人はのんびり散歩しながら歩いていく。


その道は九段坂と呼ばれる場所であり、江戸時代から変わらずに続く道である。


「この先は靖国神社があるんだね」


「うむ、今回は靖国神社の方には行かずに千鳥ヶ淵の方へと向かうとしよう。

そう言えば時代劇というのは大抵は川が出てくる訳じゃが、何故か分かるかの?」


「ええ……トラブル起きた後の対処がしやすいからとか?

後は当時は結構船が移動手段に使われていたからとかかな」


「その通りじゃな。

橋の上では逃げ場が少なく、川の近くでは死体の処理をしやすいからであろうな。

他に揉め事が起きても突き落とすなどの派手な立ち回りが使えるのもポイントなのであろう。

それに移動手段としても間違いないであろうな」


「現代なら前の車を追ってくれだけど、時代劇なら前の船を追ってくれなんてシーンがよくあるもんね。

剣で商売している大先生の家も鐘ヶ淵にあって、よく若奥さんが船頭として船を出してるもんね」


「鐘ヶ淵も確か駅があったのう。

これも墨田区であるから、やはり時代劇マニアならば千代田区や墨田区の方をまわるのをオススメするのじゃな」


前回の八丁堀もそうだが、時代劇で出てくる地名がそのまま駅になっている場所は多数ある。


そもそも、東京の各地域の名称の殆どは江戸時代から変わっていない所が殆どなのだが。


「橋としてはもちろん建て替えてあるが、隅田川にかかる両国橋や永代橋もそうじゃな。

そう言えば永代橋は江戸時代に崩落事故を起こしてのう。

それも祭りで人が集まりすぎて崩落したという事で大惨事じゃったそうな」


「当時は間違いなく木造だろうからね。

あんなに幅のある川にかかっていた橋にぎゅうぎゅうに人が敷き詰めてたら、そりゃ落ちもするか」


現在でも語り継がれる永代橋の崩落事故。


死者と行方不明者を合わせると1400名を超えるという大惨事であったそうだ。


「江戸っ子は祭り好きと言われておったが、それが転じた悲劇であったと言えるじゃろうな」


「確かに……何か事故の話をしていると気が滅入ってきたのう。

響子に何か土産でも買って帰るとするかの」


「そうしよう」


こうして2人は時代劇の話の影響から団子とお茶を買い帰路に着くのであった。


もう少し掘り下げようかと思ったのですが、勉強不足感があったのでこの辺で。

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