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バレンタインとお菓子に込められた意味

「はい、ハッピーバレンタイン!」


「ありがとうのう。

お返しのバレンタインじゃ」


バレンタイン当日、ユウとマオの2人は互いに用意していたチョコレートを交換しあっていた。


別々のタイミングで購入したはずなのだが、どちらも裸の貴婦人が馬に乗っているロゴの高級チョコレートなのは定番だからであろう。


「お二人は本当に仲が良いですよね」


そんな2人のやり取りを、出されたお茶を啜りながら眺めるのは、最早お馴染みとなっているお隣さんの響子であった。


「まぁ、僕たちはパートナーだからね。

でも、響子さんにだってちゃんと用意しているからね」


「そうじゃぞ。

これは妾達からのバレンタインじゃ」


そう言って2人が取り出したのは様々な種類のクッキーが収められた缶のケースであった。


「わわ、ありがとうございます」


「甘すぎるのもどうかと思ったし、これくらいなら美味しく食べれるかなと」


「お主は紅茶も好きであったからのう」


2人からクッキーをもらった響子は恐縮しながらそれを受け取る。


そして自身も何やら袋を取り出すと2人の前に装飾された二つの箱を置いた。


「あの、実は私もお二人に買ってきてたんです。

マカロンとドーナッツなんですけど、お二人で食べてください」


恥ずかしそうにしながらそれらを差し出す響子を見て、ユウとマオは顔を見合わせる。


「これって流石に意味は……」


「分かってないじゃろう。

なんの他意もない純粋なプレゼントじゃよ」


「えっと……何の話ですか?」


そう話す2人の態度がよく分からずに、疑問符を浮かべた表情で響子は首を傾げた。


「ああ、ここ最近知られてきた話なんだけど、バレンタインやホワイトデーのお菓子には意味があるんだって」


「それでじゃな、妾達の口から言うのは憚られるので……ほれ」


「え……ち、違いますからね!」 


マオが響子に見せた画面には表になってそれぞれのお菓子の意味が書いてあった。


それを読んだ響子はたちまち顔を赤くして否定し始める。


「ははは、分かってるって」


「確かにメッセージを込めるという事はあるであろうが、それは本命のみの話であろうよ。 

こういう友チョコにまで、この手の話を持ち出しておってはキリが無かろう」


「さ、折角だからの皆んなのお菓子をそれぞれ分け合って食べ合おうよ。

美味しい紅茶も淹れるからさ」


「そ、そうですよね。

ご相伴に預かります」


こうしてバレンタインの日、女性3人は持ち寄ったお菓子で、その日の会話に華を添えるのであった。

今回登場したお菓子の意味


チョコ:貴方と同じ気持ち

マカロン:特別な人

ドーナッツ:大好きな人


ドーナッツは永遠の愛という意味もあるそうですが、今回は大好きな人との解釈にさせてもらっています。

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