ある雪の日
2024/02/17 誤字報告受け付けました。
いつもありがとうございます。
ある日の夕方、ユウとマオに響子を加えた3人はお出かけして街を散策していた。
出掛けてから数分して彼女達はとある異変に気付いた。
「あ、雪だ」
「雪じゃな」
「雪ですね」
誰彼ともなく言い出した言葉の通りに空からは白い塊がぽつりぽつりと降り注ぎ始めていた。
「寒い上に風が強いからね。
何処かで来そうだとは思ってたけど今日かぁ」
「予報でも降るとは言うておったからのう。
妾達は今年初めてじゃが……」
「私は実家に帰った時に飽きるほど見てますので新鮮味は無いですね。
あ、逆に少ないのが新鮮みたいな……」
「無理して今年初めて感をだそうとしなくていいよ。
やっぱり北国では雪なんて当たり前だよね」
「大量に降ると雪かきとかで忙しくなりますから常に注意してるレベルですね。
豆腐ハウスだと積もりすぎるとすぐに崩壊しますよ」
「そう言えばその豆腐建築でいちばん有名なコンビニ店舗も潰れてなかったか?」
豆腐ハウスとは某クラフトゲームで建てる四角い建物の蔑称である。
数年前にその四角い建物だったコンビニエンスストアが、雪の重みに耐えれずに哀れ倒壊した話を言っているのであろう。
「そんな事件もあったよね。
やっぱり雪かきって大事なんだ」
「そりゃ、積もればかなりの重量になりますからね。
あの倒壊事件に関しては正直お粗末だと思いましたよ」
「そうなん……へっくし!
これだけ雪が降ると寒くなってきたね。
やっぱり北国育ちだと寒さは平気?」
「みんなそれ言いますけど寒いもんは寒いですよ。
一応アドバイスしておくなら末端を暖かくするべきですかね。
首、耳、手先、この辺りから全身に回ってくるから、その辺りを防護しておくと良いですよ」
「ふむ、それならばこれを身につけると良いであろう」
響子の話を聞いたマオはバッグの中からニット帽を取り出す。
「あ、ありがとう。
確かに耳が温かくなるだけでかなり違うかも」
「せっかくの雪なのじゃし、どこかこの景色を楽しめる店にでも行かぬか?」
「良いですね。
実はこの先に景色の良いカフェがあったりするんですよ」
「なに?いつの間にそのような店を開拓しておったのじゃ?」
「私もいつまでも2人におんぶに抱っこじゃ無いということですね」
ふふふと笑って先に進む響子についていく2人
人は知らないところで成長していくものだと実感しながら、雪景色を楽しんだのであった。




