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初詣は浅草へ 2

2人が向かったお焚き上げの受付は無人であった為、2人は受付に置いてあったお盆の上にお守りを並べて預けることにした。


「一年間ありがとう」


「一年間ご苦労であったのう」


2人は御守りに対してお礼を言うと次の場所へと向かっていく。


「先ずはお詣りしてからかな」


「その前にそこの常香炉の煙を浴びていくとしよう。

浴びると悪いところに効くと言われておるが、お詣りの前の邪気払いの意味もあるからのう」


常香炉の周りには自らお香を持って煙を浴びる人達がちらほらと見受けられた。


しかし、常香炉から常にたっぷりの煙が吐き出されているので、2人はそれを浴びるだけに留めておくのであった。


「次はいよいよ本番だね」


「流石にここは列が出来ておるのう」


いつもより空いているとは言え、流石にお詣り待ちの列は出来ている。


2人はその端の方で並ぶと思いの外スピーディに列は進んでいった。


「真ん中は全然動いてないのにね」


「正直、真ん中はお参り終わってから脱出するのに苦労しそうでないか?

あの辺りの全ての人に謝りながら横に抜けていくしかないのであろう」


「こう考えると真ん中ってのも考えものなのかもね」


2人はそんな事を話しつつ、自分たちの番になったので、予め持っていたお賽銭を投げると、そのままルールに則ってお詣りを済ませた。


「僕達は壮大な願い事なんて無いもんね」


「精々今年一年もリスナーの皆と楽しく過ごせるようにくらいであろうな」


「それくらいが一番安定してていいよ。

さ、御守りも買って行こうか」


こうして2人並んでお守りを授かりに行き、いつも通りに厄除けの御守りを貰おうとしたのだが……


「折角じゃから2人でこの商売繁盛の札を買わぬか?」


お守り表を見たマオが唐突にそんな事を言い始めた。


「商売繁盛って……僕達には関係ないんじゃ無い?」


「Vとて商売のようなもんじゃろう。

ボイスやグッズの販売もあるわけじゃしな」


「……それもそうかも。

じゃあ、家に置くように一個買って行こうか」


こうして其々に厄除けの御守りを買った後で商売繁盛の札も購入して帰路に着く2人。


「この札はなるべく高いところに置いた方がいいんだって」


「神棚があればそこなんじゃろうが……家で置けそうなのは扉の上のスペースかの。

どれ……」


そう言ってマオは大人の姿へと変身してリビングから廊下に繋がる扉の上へと置いた。


「別に台があるんだから大人になる必要なくない?」


「折角の新年なのじゃ。

偶にはこの姿でユウと過ごすのも悪くは無かろう」


こうして大人の姿になった後の時間を楽しんだ2人。


最後は久しぶりに同じベッドで時間を過ごしてこの日を終えたのであった。

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