新年のご挨拶と軽い雑談 1
2024年もよろしくお願いします。
「新年あけましておめでとう!」
「明けましておめでとうなのじゃ」
0時を迎えた瞬間、椅子に隣同士でに座っていたユウとマオが新年の挨拶をする。
パソコンの画面には勢いよくリスナー達の新年の挨拶がスクロールされていった。
2024年、1月1日。
彼女達はいち早くリスナー達と新年を迎えたいという気持ちがあり、雑談配信をしていたのであった。
「うわわ、みんなすごい勢いだね」
「同接の数も大変なことになっておるからのう。
皆の者はテレビなどは見なくて良かったのかの?」
マオの質問に新年の挨拶は落ち着きを見せ始め、その問いに答える者達が現れる。
「ああ、確かにそうかもね。
僕たちも今年は見たい番組が無くって……それなら配信して皆と過ごそうって結論になったんだよ」
「あの歌番組ものう……目玉らしい目玉が無いからのう」
話題は少し前まで行われていた年末恒例の歌番組へと移り変わっていた。
リスナーのコメントを見る限り、あの番組には最初から期待していなかった人たちで溢れているようである。
「何かの力が働きづらいSNSの質問では期待しないが9割近く占めてたんだっけ」
「正直、今年は日本の歌番組とは思えんからのう。
他局がやるのであれば問題ないのじゃが、公共放送があれは不味いじゃろ」
「その間違いに気付けない辺りが本当に残念なイベントになっちゃったよね」
コメント欄と今年は配信を見た方がマシという意見が多数出ていた。
そちらの方が余程楽しいというのは、この時間にここに来ている時点で明らかではあるのだろう。
「アレじゃな……あの早着替えの豪華衣装な2人が居ればまた違ったのであろうが」
「ゲームのラスボスの変身って言われてる人達だよね。
やっぱりアレは華で目玉だったと思うよ」
「うむ、アレが無くなってから視聴者離れが加速した気がするのう。
それでいて今回の外国アーティスト優遇であろう?
呆れられても仕方あるまいて」
マオの言う事に賛同するリスナー達。
この意見を掬い上げていくと、やはり大目玉の消失を嘆く声。
そして、よく分からない海外アーティストの優遇に憤りを感じる声が多数溢れていた。
「まぁ、日本の年越しなんだからちゃんと日本に配慮してほしいよね。
公共放送なんだからさ」
「うむ、最近では特に色々と言われておるからのう。
これでは今年の受信料の支払いは更に滞る事間違いなしであろうな」




